シスコがAmazonで買える、中小向けネットワーク製品「Meraki Go」とは何か:「そもそも情シスがいない」自営業でも運用可能に(2/2 ページ)
シスコは2019年4月11日、飲食店やショップなど、10〜20人規模の小規模企業向けのネットワークソリューション「Meraki Go」を同年5月に発売すると発表した。スマートフォンの専用アプリから設定、管理でき、専門知識がなくても運用できるという。
「そもそもIT担当者がいない」小規模企業の状況を意識した販売戦略へ
Meraki Goは、北米や欧州、オーストラリアやニュージーランドでは既に発売されている。シスコで中小企業向け事業を統括する鎌田道子氏は、「北米ではパートナー企業がMeraki GoをAmazon.comで販売するケースがあるものの、日本のように、シスコがアマゾンジャパンと提携して直接顧客に販売するような例は、把握している限り恐らく他にないのでは」と話す。
シスコは、これまでパートナー企業経由でユーザー企業に製品を販売することが多かった。Meraki Goを含む同社の中小企業向け製品群「Cisco Start」は、2015年にリリースされてほぼ4年たつ。同社が今回の新製品発表に合わせ、思い切って販売戦略を広げた理由は何か。
顧客を知り尽くしたパートナーが販売を担うビジネスモデルは、大規模企業向け製品の場合、細かいリクエストに合わせた仕様の調整や交渉がしやすいという点で有効だった。しかし、自営業者などの小規模企業に向けた製品を売る場合「そもそも、パートナー企業が販売網を持っていない上、ユーザー企業の方も、簡単にアクセスできるアマゾンジャパンのサイトを活用できた方が、製品について詳しく検討しやすくなるだろうと考えた」(デイヴ・ウェスト代表執行役員社長)という。
Meraki Goの場合、「まずはAmazon.co.jpを使った販売を続け、経過を見て販売チャネルを他に増やすかどうかも含めて考えていく」(鎌田氏)。
中小企業向けソリューションを強化するシスコ
同社は、Meraki Go以外の製品にも中小企業向けの製品シリーズを増やし、「Cisco START」シリーズを拡充させている。
例えば、テレビ会議ソリューション「Cisco Webex」シリーズには、小規模企業向けのサブスクリプションプランとして「Cisco Webex Starter(1700円/月)」「Cisco Webex Plus(2250円/月)」「Cisco Webex Business(3400円/月)」を追加。2019年5月をめどに、自社サイトで直接販売を開始する。
鎌田氏は、今回の製品拡充について「これまで小規模企業の顧客から寄せられていた『シスコの製品を使いたいけれど、その予算がない』という声に応えていく」と語り、今後も中小企業向け製品の拡充や販売チャネルの拡大に積極的な姿勢を示した。
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