地方や中小企業にもAWSのスーパーパワーを AWSジャパンのビジネス最新状況:Weekly Memo(1/2 ページ)
AWSジャパンが先週開催したパートナー向けイベントで、日本でのビジネス展開における最新状況が明らかになった。その中から筆者がユーザー視点で選んだ興味深い話を紹介したい。
30都道府県に広がったAWSパートナーネットワーク
米Amazon Web Services(AWS)の日本法人であるアマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)が3月7日、パートナー企業向けの年次イベント「AWS Partner Summit Tokyo」を都内で開催した。パートナー向けのイベントなので、同社のパートナー施策やパートナーにおけるユーザー事例が講演の中心だったが、AWSのビジネスの最新状況もさまざまな角度から聞くことができたので、その中から筆者がユーザー視点で選んだ興味深い話を紹介したい。
紹介するのは、AWSジャパンの渡邉宗行パートナーアライアンス統括本部長の話と、パートナーとしてユーザー事例などを説明した2社のメッセージである。
まずは渡邉氏の話から、最新のAWSの伸長ぶりについて。AWSのグローバルでの売り上げ規模は2018年で256億5000万ドル(約2兆8000億円)。前年比47%伸びた。サービスの機能改善数は2018年で1957件。図1がその数のこれまでの推移を示したグラフである。同氏は「この数の9割以上はお客さまの要望に合わせたものだ」と強調した。
AWSサービスの数については、コンピュートやストレージなどのコアサービスをはじめ、セキュリティやIoT、アナリティクスなどの要素も増えており、現在主要なものだけで165を超えるという。国内の顧客数は「10万社以上」(同氏)。AWSパートナーネットワーク(APN)のパートナー数は2018年末で750社。2017年末から229社増え、単年度で過去最高の伸長となった。さらに、この1年で東京と大阪を除く地域のパートナー数が倍増し、「現時点で30都道府県にパートナーのネットワークが広がっている」とも強調した。
このほかに渡邉氏が示した数字で興味深かったのは、フォーカスワークロードとして挙げた図2の3点だ。それぞれに分かっていた数字だが、こうして並ぶと、あらためてこの3社の存在の大きさを思い知らされる。
これらへのAWSの対応として、同氏はとくにWindows向けに図3を示してみせた。この円グラフは、パブリッククラウドIaaS上のWindowsがどのサービスで動いているかを示した2017年の調査結果だが、AWSがAzureのおよそ2倍になった。同氏は「AWS上でもWindowsを安心して使っていただける。この調査結果はそれを証明している」と説明した。
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