「3カ月かかった導入を1日にできる」 オラクルが次世代データセンターに賭ける新戦略とは?(2/2 ページ)
日本オラクルは2019年5月8日に次世代データセンターを東京リージョンに開設したと発表した。また、大阪リージョンの次世代データセンター開設と日本における「Oracle Cloud」の戦略が発表された。
従来のOracle Cloud「Generation 1 Cloud」との違いは?
同社によれば、従来提供されていた、いわゆる「Generation 1(第1世代)」のクラウドでは、従量課金制で、小規模からサービスを運用できる柔軟性を特長としていた。ただし、運用規模を拡大した場合のセキュリティや安定性、コストなどのバランスが課題になっていたという。
Gen 2 Cloudはこれらの課題を解決する他、ネットワーク帯域幅の保証といった運用の安定性にも配慮する。また、エッジ部分におけるDNS(Domain Name System)やWAF(Web Application Firewall)など、DDoS攻撃を防ぐセキュリティを確保するとしている。
「これまで多くの顧客の基幹システムを運用してきた。近年は、そのクラウド移行への需要が出てきたが、(状況は)まだ道半ばだ。(Gen 2 Cloudでは)従来のパブリッククラウドでは実現できなかった機能を提供したい」と、竹爪氏は話す。
また、Gen 2 Cloudはハイブリッドクラウドとしての運用も可能で、オンプレミス環境から必要な領域をクラウドに移行できる。竹爪氏は「オラクルのデータマネジメントで40年以上培ってきた技術を使い、アジリティや利便性を強化する」と話した。
データセンター開設と同時に進む、日本オラクルのクラウド強化戦略とは
今回の発表会では、Oracle Cloudの今後の戦略についても言及した。日本展開のキー戦略は、「Enterprise Cloud」と「Innovation Cloud」の2つで前者は基幹システムのオンプレミスからクラウドへの移行を、後者はクラウドネイティブな開発を実現する。
オーバーマイヤーCEOは、「優れた競合企業は確かに多い。しかし、インフラからプラットフォーム、アプリケーションを含めて、高いレベルのパフォーマンスとセキュリティを実現するクラウドサービスを提供するのはオラクルだけだと考えている」と話し、Gen 2 Cloudの優位性を強調した。
東京の次世代データセンターについては、既に数百社による利用が決まっているという。同社は今後、クラウド専任の営業の拡充や技術者認定試験の強化などを進める。協業パートナーの開拓など、Oracle Cloudの販売を推進していく考えだ。また、次世代データセンターについて、2019年夏までにISO27000やFISC安全対策基準などの対応も進める。
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