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AI活用の路面診断で「緊急修繕が必要な箇所」を自動検出――ニチレキ、NTT東日本など3社が共同開発、2019年度内に実用化へ
道路舗装業などを手掛けるニチレキ、NTT東日本、NTTコムウェアは、画像解析により、緊急の措置が必要な舗装道路の「局部損傷」を診断するAI技術を共同開発する。重篤な損傷に至る前に補修する「路面点検・診断・措置」の一貫ソリューションとして、2019年度中の実用化を目指す。
舗装材料の製造・販売や工事などを手掛けるニチレキは2019年7月25日、東日本電信電話(NTT東日本)、NTTコムウェアと共同で、舗装道路の「局部損傷」を診断するAI技術を開発すると発表した。この技術を活用して、路面の点検・診断・措置を一貫して低コストで実現するソリューションも開発し、2019年度中に提供を開始する計画だ。
局部損傷とは、道路の舗装がはがれてできた穴やへこみ(ポットホール)など、局部的に損傷の進行が早く、緊急の措置が必要とされる箇所のこと。今回、3社が共同開発するのは、AIによる画像解析技術を活用して、道路の点検・診断結果から、緊急性を要する修繕箇所を自動的に検出する技術だ。
路面の50×50センチメッシュ内のひび割れの交点(結節点)を検出し、その個数を数えてランク分けして評価することで、ランクの高い(結節点の多い)箇所は「路盤の健全性が失われ、ポットホールなどの重篤な損傷に進行することが懸念される状態」であると判断できるようにする。
時間経過による損傷の変化も判別
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