「パスワードをクラウド上のExcelシートで管理」に一手間加えて安全に:半径300メートルのIT(3/3 ページ)
テクノロジーは日進月歩。かつての常識が現代の非常識になることも、かつての非常識が現代の推奨行為になることもあります。個人情報を安全に管理する方法も、どんどん変化しています。
運転免許、パスポート、保険データなどの保存も
Vaultとは、金庫のこと。オンライン上の金庫に、機密性の高い重要なファイルを入れておけば、万が一クラウドストレージが不正アクセスを受けたとしても、情報を守れる確率が上がるでしょう。
これまで「大事な情報をデジタルで、クラウド上に保存」という行為に不安を感じていた方でも、これなら納得できるのではないかと思います。
また、パスワードファイル以外にも、例えば「運転免許証」「パスポート」「健康保険証」などをスマホカメラで撮影し、この個人用Vaultに入れておくというのも便利かもしれません。OneDriveのアプリ経由で撮影すれば「個人用Vaultに直接保存」が可能なので、端末のフォトライブラリに一瞬でも個人的な情報を残さず、安全にクラウド保存することが可能です。
Office 365のサブスクリプションを契約している場合は、個人用Vault内に保存できるデータ数に制限はありません。一方で、無料のOneDriveユーザーには機能制限があり「ファイル3つまで」となっています。まずは無料アカウントを取得して、1つのパスワード管理ファイルから始めてみてはいかがでしょうか。
……でも、やっぱりもう一段上を目指してみよう
これまでも、似たようなツールは存在していました。例えばWindowsでは「BitLocker」といったファイル暗号化機能がありましたが、利用するにはHomeではなく上位版のPro相当が必要でしたので、企業組織以外では使いにくいものでした。個人用Vaultは無料です。積極的に使っていくといいでしょう。
ただし、パスワード管理という意味では、通常のサイトはWebブラウザのパスワード保存機能を使い、お金や人生に関係するサービスのみ、上記の方法でテキストファイルによるパスワード管理をする、という使い方が便利かもしれません(一番のオススメはパスワード管理ソフトを利用することです!)。その場合はPCやスマートフォンの画面ロックを設定し、背後からの視線には十分に気を付けてください。デジタル的には安全でも、「ショルダーハック」と呼ばれるアナログな不正アクセスには、弱い方法ですから。
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