北海道江別市が「Arcserve UDP Appliance」を導入、災害対策を視野にシステム選定
北海道江別市はarcserve Japanの「Arcserve UDP Appliance」を導入した。選定の決め手は、サーバリソースとバックアップ機能がセットになったアプライアンスサーバで、ハードウェアに障害が発生した場合でも短時間で復旧できることだったという。
arcserve Japanは2019年12月26日、北海道江別市が同社の「Arcserve UDP Appliance」を導入したと発表した。Arcserve UDP Applianceは、仮想環境と物理環境の両方に対応するイメージバックアップソフト「Arcserve UDP」をプリインストールし、保護対象台数を無制限としたバックアップ専用のアプライアンスサーバ。江別市は、障害発生時でも極力行政サービスを中断させないことを必須条件としてシステムを選定した。
江別市はこれまで、ファイル単位でバックアップを運用していた。ただし、データ保護に関する課題が顕在化してきたため、新たなバックアップシステムの導入を検討していたという。
江別市の課題となっていたのは、大きく分けて以下の4つ。
バックアップ時間の増大
江別市では、毎週日曜日にフルバックアップを取り、平日に増分バックアップを取っていた。ところが業務のデジタル化に伴ってデータが急速に増大し、フルバックアップに要する時間が延びたため、月曜日の開庁時間までバックアップ処理がずれこむ恐れが出てきた。
ハードウェア障害からの復旧
これまで江別市は、サーバのハードウェアに障害が発生したときの復旧手段を整えていなかった。アプリケーションのオンラインバックアップやOS復旧の機能を導入していなかったため、新しいハードウェアを調達し、OSやアプリケーションをインストールしてからファイルを戻す必要があった。そのため復旧時間が長くかかることが想定され、行政サービスに影響を与える恐れがあった。
IT人材の負荷
1000人以上の職員に対してITのサポート要員が5人しかおらず、バックアップの運用負担が大きくのしかかっていた。
災害対策
江別市は、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震で大規模停電の影響を受けた。無停電電源装置を備えていたものの、稼働時間が限られていたため、結果的に行政サービスに支障をきたしてしまった。こうした経験から、災害対策までを視野に入れたシステム保護が重要だと判断した。
行政システムによくある課題、江別市の対策は
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