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AWSやMicrosoftと異なる「Google Cloud」の魅力とは、同社パートナー事業トップの話から読み解くWeekly Memo(2/2 ページ)

メガパブリッククラウドとして、AWSやMicrosoft Azureと競合する「Google Cloud」。競合サービスと異なる魅力は何なのか。同社日本法人パートナー事業トップの話から探ってみたい。

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Google Cloudが「開かれたクラウド」である理由

 Google Cloudについては、これまでも本連載で幾度か取り上げてきた。直近では2020年6月15日掲載の「AWSやMicrosoftを追撃、Google Cloudは企業のIT基盤として広がるか」で日本におけるパートナー事業の取り組みを紹介したが、今回の会見では業界別の展開に注力していくことを強調したのが印象的だった。

 日本での業界別の展開として、同社の高橋正登氏(執行役員 パートナー事業本部長)は図2のように6つの業界を挙げ、「それぞれの業界に向けたきめ細かいソリューションをパートナー企業と協力して提供していきたい」と説明した。図3には、そうした6つの業界においてパートナーと協力してデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援した代表的な顧客企業名を挙げた。

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図2 6つの業界別の展開に注力(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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図3 DXを支援した代表的な顧客企業名(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)

 とはいえ、Google Cloudは複数の市場調査において、メガパブリッククラウドとして先行するAWSやMicrosoftの競合サービスを追いかけるポジションに置かれている。両サービスを追撃するためのGoogle Cloudの魅力とは何か。外から来たばかりの石積氏ならではの見方があるのではと思い、会見の質疑応答で聞いてみた。すると、同氏は次のように答えた。

 「Google Cloudに入ってみて、改めて強く感じたのは非常に『開かれたクラウド』であることだ。多くの企業が今、これまで使ってきたオンプレミスの既存システムをクラウドへ移行しようとしているが、単に乗せ換えるだけでは昔ながらのアプリケーションホスティングサービスと変わらず、名ばかりのクラウド利用で開かれた状態にはならない」

 そして、こう続けた。

 「Google Cloudならば、クラウドへ移行してから容易にモダナイズでき、ハイブリッド利用や競合サービスとのマルチクラウド環境も柔軟に構築できる。さらにAI(人工知能)やデータ分析などのとがったテクノロジーを保有する一方、データベースを『ファイブ9(99.999%)』の高可用性で使えるミッションクリティカル対応能力も保持している。要は、Google Cloudはどのようなユーザーニーズにも応え、イノベーションを起こすきっかけになり得る。開かれたクラウドと表現したのは、そうした意味からだ」

 Google Cloudの柔軟性や高可用性を評価する声は以前から耳にしてきた。ただ、エンタープライズビジネスに長く携わってきた石積氏が、Google Cloudの中に入った実感として述べた言葉には臨場感がある。同時に、同氏の発言がGoogle Cloudの魅力を物語っている。同社の日本における活動が一段と加速モードに入ったといえそうだ。

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