2021年、DXを支える注目のベンダーは? 急成長中の4社を紹介:Weekly Memo(1/2 ページ)
2021年、企業のDXを支援するベンダーのうち、特に注目すべきベンダーはどこか。筆者が注目するのは、自社だけでなく他社と連携したエコシステムを広げることで台頭する4社だ。それぞれの興味深いポイントを紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の第3波が押し寄せる中、幕を開けた2021年。企業もあらためて対応に追われているが、その中身も含めてDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが一段と急がれる状況だ。
そこで今回は、企業のDXを支援する注目のベンダーを紹介したい。筆者が今回取り上げるのは、ServiceNow、UiPath、Qualtrics、Zoom Video Communications(以下、ZVC)の、比較的最近台頭してきた4社だ。それぞれどこが面白いのか、以下に述べたい。
ITによる業務自動化を起点としたServiceNow
1社目のServiceNowは、ITから人事、カスタマーサービスまで企業全体のさまざまなワークフローを構築することで“より良い働き方”の実現を支援するクラウドサービスを提供する。2020年12月期の売上高は42億ドル台を見込み、Salesforce.comに次ぐ規模の独立系クラウドサービス専業ベンダーとして頭角を表してきた。
ServiceNowが目指すのは「自動化できる業務はITに任せ、人は付加価値の高い仕事に専念できるようにする」(ServiceNow Japan執行役員社長の村瀬将思氏)ことだ。同社が提供するサービスは、図1に集約される。中段にある「Now Platform」がPaaS(Platform as a Service)で、ワークフローをはじめ、データベース、AI、アナリティクス、ユーザーエクスペリエンスといった機能を持つ。
最大のポイントは、このNow Platformが下段に記されている各業務のシステムと連携し、横断するワークフローを提供できる点だ。各業務のシステムには、図1に「Platform」として記されているように、企業が業務に応じてさまざまなベンダーのソフトウェアやサービスを使い分けるケースは少なくない。Now Platformはこれらを「ラッピング」するような形になる。
ServiceNowはこのプラットフォームで、IT業務をはじめ、従業員や顧客向けのワークフローを展開できるSaaSも提供する。同時に、誰でも新たなサービスをローコード/ノーコードで開発できる環境も用意している。こうしたことから、Now Platformは「Platform of Platforms」と位置付けられている。この仕組みが「業務を自動化するプラットフォーム」として機能するわけだ。まさにServiceNowならではのソリューションといえる。
現場の負担軽減や「無人化」ニーズでも注目のUiPath
関連記事
- 「Weekly Memo」記事一覧
- ServiceNowがフィールドサポート向け機能を強化、IoTデータでサービス監視から顧客対応の指示までを自動化
ServiceNowにIoTデータを取り込んだ自動化機能が追加された。サービス監視から、プロアクティブな顧客サポート、インシデント対応の指示までを自動でオペレーションできるようになるという。 - 信州大学医学部附属病院、「HER-SYS」への感染者情報登録にRPAを活用
信州大学医学部附属病院は、厚生労働省所管の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者情報の共有システム「HER-SYS」への情報登録業務を「UiPath」を活用したRPAで自動化し、業務効率化と負荷軽減などを実現。手作業で1件当たり3分以上かかっていた情報登録がワンクリックで可能になった。 - DX時代に注目されそうな「エクスペリエンスマネジメント(XM)」とは何か
DX時代のキーワードの1つである「エクスペリエンス(顧客体験)」。これを「マネジメント」するソリューションがにわかに注目されている。両方の言葉を略して「XM」と呼ぶこの分野、果たして何をするのか。 - Zoom、在宅勤務向け専用デバイス「Zoom for Home」の日本発売を発表 新たに音声電話サービスも提供へ
Zoom for Homeは個人ライセンスでも企業ライセンスでも利用可能。27inchの超高感度タッチディスプレイの他、ワイドアングルカメラや複数のマイクを備える。会見では、音声電話サービスの提供予定も明らかにされた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.