信州大学医学部附属病院、「HER-SYS」への感染者情報登録にRPAを活用
信州大学医学部附属病院は、厚生労働省所管の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者情報の共有システム「HER-SYS」への情報登録業務を「UiPath」を活用したRPAで自動化し、業務効率化と負荷軽減などを実現。手作業で1件当たり3分以上かかっていた情報登録がワンクリックで可能になった。
UiPathは2021年1月7日、信州大学医学部附属病院が同社のRPA(Robotic Process Automation)プラットフォーム「UiPath」を導入し、厚生労働省が運用する「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS、ハーシス)」への情報入力に関わる業務を自動化したと発表した。
HER-SYSは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染者などの情報を国、自治体、保健所、医療機関、関係業務の受託者などの関係者間で共有するためのシステム。厚生労働省により2020年5月から導入され、9月ごろから各自治体が利用を開始し、現在は全国で1万以上の医療機関などが利用している。
HER-SYSを利用する医療機関で医師がCOVID-19の患者を診断した際に、同システムに患者情報を入力することで、感染者情報の迅速な把握や情報登録に関わる業務負担を軽減することができる。
COVID-19感染者の発生届は、従来は各医療機関から保健所へFAXなどで行われていた。HER-SYSの導入により、システムからのデータ送信で感染者情報を登録できるようになった。
ただし、UiPathによると、電子カルテの近くにインターネット端末がない、入力作業を行う人員不足などを理由に、現在でもFAXで発生届を提出する医療機関は存在する。さらに、FAXで提出された発生届は、保健所がシステムへの入力を代行するため、保健所の業務負担が増えるケースもあるという。
COVID-19関連の情報入力業務をUiPathで自動化、その導入効果は?
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