単純なクラウド移行が「競争優位性の喪失」につながってしまう理由
アクセンチュアが実施した企業のクラウド活用と事業継続への効果に関するグローバル調査によると、クラウドの価値を最大限に享受している企業には、複数の特徴があることが分かった。
アクセンチュアは2021年9月30日、世界25カ国16業界の経営幹部を対象にした企業のクラウド活用に関するグローバル調査の結果を発表。「これからのシステムの運用モデルとしてクラウドを活用し、マルチクラウド化によって継続的にビジネスの再創造を図っている企業は、コスト削減や効率化にとどまらず、新たなビジネス価値の創出に成功している」との見解を示した。
調査は、2020年後半から2021年前半にかけて、日本を含む25カ国の民間企業や公的機関の経営幹部約4000人を対象に実施。クラウドに関連するテクノロジーの導入や活用度合い、クラウド戦略や目標、クラウドに関するマネジメント手法、財務と運用パフォーマンスに関する指標、イノベーションやサステナビリティ(持続可能性)の成果に対するクラウドの貢献度合いなどに関するデータを収集、分析し、「Ever-ready for Every Opportunity:How to Unleash Competitiveness on the Cloud Continuum(あらゆる機会に力を備えるために:クラウドの継続活用で競争力を発揮する)」と題するレポートにまとめられた。
目先の利益を追うクラウド移行はなぜ「競争優位性の喪失」につながるのか
今後、企業が競争力を高めていくためには、AI(人工知能)や非接触技術、エッジコンピューティング、ロボティクス、AR(拡張現実)など、自社に必要となるテクノロジーを見極めた上で、それらを活用するためにクラウドの組み合わせを継続的に最適化し、新たな手法を取り入れながら事業を推進することが不可欠になる。
そのために企業は、クラウドを前提に事業運営を行う「クラウドファースト」戦略を採用することで、顧客体験の向上、ビジネスプロセスの高度化、サステナビリティにより配慮した製品開発を行うことが可能になる。
では、世界の企業のクラウド活用実態はどうか。
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