デジタル「後払い」で競争激化 注目の大手StripeとKlarna連携のインパクトは:Payments Dive
デジタル決済市場で注目の2社が手を組んだ。グローバル規模のオンライン決済インフラを手掛けるStripeと、スマホを使った買い物向けの「後払い」機能で人気を集めるKlarnaだ。関係者が「決済のパフォーマンスを大幅に向上させ、オンラインの消費行動を成長させる効果がある」と意気込む提携の中身は。
電子マネーの普及やコロナ禍による非接触型の決済ニーズに後押しされ、企業や公的機関の間でオンライン決済サービスの導入が伸びている。中でも注目の大手であるStripeが、世界各国で利用される後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)アプリケーションで注目を集めるKlarnaと大規模な協業を発表した。
Stripeは2021年10月、オンライン決済アプリケーション「Klarna」を手掛けるスウェーデン発のKlarnaと共同で、オンラインの決済インフラ「Stripe」をKlarnaユーザーの後払い決済に連携させたと発表した。
Stripeは米国のサンフランシスコとアイルランドのダブリンに本社を置き、20カ国で数百万社のユーザー企業に提供する。オンラインショッピング向けに世界規模から決済を受け付けられるインフラを構築し、欧米を中心にAmazonやMicrosoftといった大企業を顧客に抱え、シェアを伸ばしている。
Klarnaはクレジットカードや銀行口座と連携した直接決済に加えて「Pay in 30 days」(1カ月後の後払い)や「Pay in 4」(4分割払い)といったBNPLサービスを提供し、同社の公式Webサイトによれば、米国だけで1500万人、17カ国で9000万人の消費者に利用されている。
競争激化のデジタル「後払い」市場 注目の2社が提携するインパクトは
両社のプレスリリースによれば、StripeはKlarnaを消費者向け決済の「優先支払いパートナー」に指定した。消費者が買い物でKlarnaのBNPLサービスを利用すると、Klarnaが支払いをいったん建て替え、残りの決済処理をStripeが請け負うという。
「Klarnaは、Stripeの最初の試験導入で決済の信頼性とパフォーマンスが大幅に向上したことを認め、当初の計画よりも多くの決済をStripeに移行することを決定した」とリリースは伝えている。Klarnaは、米国とカナダで実行する決済の約90%をStripeで処理する計画だ。両社は今後、現在展開する米国とカナダから、より多くの国に連携先を広げるという。
関連記事
- P&Gやコカ・コーラら大手が結集 配送センターの集配、デジタルで非接触化の動きは定着するか
食料品や消費財の製造企業や大手の物流企業らが結集し、物流拠点でドライバーらが紙の書類をやりとりしていた従来の業務を本格的にデジタル化、効率化する技術の業界標準を策定した。ドライバーの滞留時間を短縮する他、これまで標準がなかった企業同士のデジタル情報のやりとりも標準化する。具体的にどのような動きが実現したのか。 - “データ多過ぎ”時代のIT戦略、変わるポイントは? サプライチェーンの場合
足りない知見を補いたい企業が“データ不足”に悩んでいた時代は終わり、今度は大量のデータをどうさばくか悩む時代が到来しつつある。データから望む知見を引き出し、同時に費用対効果も上げるために必要なポイントとは何だろうか? サプライチェーン管理の視点から考えてみよう。 - 「良い物を作るだけでは売れない」老舗和菓子店がマーケティングにAIを導入した理由とは
2019年、創業200年超の和菓子屋がマーケティングにAIを導入した。現場の勘や職人の経験が生きる業界で古い伝統を守りつつ新技術を取り入れて成長を続ける、老舗の挑戦を追った。
関連リンク
© Industry Dive. All rights reserved.