今後5年間で企業支出が最も伸びるAIソリューションは? IDCが予測
IDCが今後5年間にわたるAI市場についての予測を発表した。市場全体で2桁成長が続く中、最も企業支出が伸びるカテゴリーは何か。
IDC Japan(以下、IDC)は2022年3月16日、全世界の人工知能(AI)市場についての予測を発表した。同社は全世界のAIソリューション市場における支出データとITベンダーのシェアをグローバルデータツール「IDC Worldwide Semiannual Artificial Intelligence Tracker」で半年ごとに公開している。
最新のデータによると、ソフトウェアやハードウェア、サービスの各カテゴリーを含む全世界のAI市場は2022年は前年比で19.2%成長し、売上額4328億ドル(約51兆4181億5480万円)が見込まれる。2023年には売上高5000億ドル(約59兆4212億5000万円)を突破する見込みだ。
今後5年間で最も成長するAIソフトウェアのカテゴリーは?
テクノロジーカテゴリー別のシェアを見ると、2022年はAIハードウェア(年間平均成長率20.5%)とAIサービス(同22%)が大きく伸びる半面、AIソフトウェアのシェアは若干低下する見込みだ。この傾向は2023年まで続く。
では、今後5年間で最も成長するAIソフトウェアのカテゴリーは何か。成長率で最も大きい伸びが予測されるのはAIプラットフォームで、IDCは今後5年間における同カテゴリーの年間平均成長率を34.6%と予測する。
支出額で見ると、2021年前半では全体の47%を占めるAIアプリケーションが最大だ。AIシステムインフラストラクチャソフトウェアの2021年前半における支出額は35%でAIアプリケーションに次ぐ2位だが、今後5年間の年間平均成長率は14.1%で、IDCは「最も成長が遅いセグメント」と見る。
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