ニュース
AR/VRを研修に導入した「不人気業界」 人材採用で起きた変化とは:Transport Dive
アメリカのトラック業界で整備技術者育成のためのAR/VRの活用が進んでいる。インタラクティブで実施的に学べるテクノロジーの導入で「汚い」(dirty)、「油っぽい」(greasy)イメージを覆すのが狙いだ。
トラック運送業界における労働問題への逆風は、ドライバー不足だけではない。2021年10月に米国交通研究所が発表した「トラック輸送における課題トップ10」に、ディーゼル機関を整備する技術者不足が初めて取り上げられた。
労働統計局は、ディーゼル機関の技術者の需要は今後10年間堅調に推移し、2030年まで毎年約2万8千人の求人が続くと予測する(注1)。
「技術者は笑いものにされ、VRゴーグルは間抜けだと思われていた」
トラック車両整備学校や技術学校の一部は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)のトレーニング技術が採用に貢献すると考えている。これらのツールは、業界の技術的進化を示し、技術者の仕事が「汚い」「油っぽい」ものだというイメージを覆す。
「テクノロジーは以前よりも受け入れられつつある」と、Design InteractiveでMR(複合現実)型トレーニングプラットフォーム「XRMentor」の商業ソリューション部門責任者であるマット・ジョンストン氏は言う。
「数年前、技術者は笑いものにされ、(VRゴーグルは)間抜けだと思われていた」とジョンストン氏は話す。「今ではVRはよく知られている。『試すのが待ちきれない』といわれるようになった」(ジョンストン氏)
(ディーゼル機関の)整備トレーニングには通常、以下の3つ形態のいずれかが使われる。
関連記事
- 「ITエンジニアの採用に学歴チェックは無意味」 人材争奪戦へのリクルーターの見解
人材不足が続くIT業界で、採用活動に変化が起きている。企業は名門校にこだわらず、以前よりも柔軟な姿勢で幅広い人材を採用しようとし始めた。人材の多様性が豊かになることは、IT企業にとって人手不足の穴を埋める以上の意義もある。 - 2030年までに「存亡の危機」を迎えないために、企業が即取り掛かるべきテクノロジー人材の強化策とは
ガートナーによると、日本企業が今後予測される歴史的な大転換を生き残るためには、要となるテクノロジー人材の獲得と人材投資の強化を急ぐ必要があるという。 - どうしたら定着率が上がるのか? バイデン「トラック運転手拡大計画」に業界関係者が「ダメ出し」
バイデン政権はトラック運転手の採用を増やす計画を発表した。運送業界はこの政策を基本的には歓迎しているが、これまで数々の施策によって増えた人材が定着しない問題を指摘する声もある。 - あらゆる輸送手段を組み合わせいかに最適化するか 奮闘する貨物ブローカー
コロナ禍により、世界的に輸送業者のキャパシティーに限界が訪れている。荷主から引き受けた荷物を確実に届け先に輸送するために、複数の輸送手段を組み合わせる手法が注目を集める。
© Industry Dive. All rights reserved.