連載
これからのITサービスはどう変わっていくか――NTTデータの新中期経営計画から読み解く:Weekly Memo(1/2 ページ)
エンタープライズIT市場においてDXが注目される中、従来のITサービスはこれからどう変わっていくのか。NTTデータの新中期経営計画から読み解きたい。
事業環境の変化とNTTデータの目指す姿とは
エンタープライズIT市場は今、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目の的だが、業務システムの開発・構築・運用を中心とした従来のITサービスは、これからどう変わっていくのか。また、それをなりわいとしてきたシステムインテグレーター(以下、SIer)はDXに対応していけるのか。
今回はこうした疑問への対処策を、日本を代表するSIerであるNTTデータが2022年5月12日に発表した新中期経営計画(2023年3月期〜2026年3月期)から読み解きたい。
発表会見に臨んだNTTデータ社長の本間 洋氏による説明から、ITサービス分野の今後の変化を感じられる内容を以下に順次、紹介していこう。
まず、これからの事業環境の変化について本間氏は「社会を取り巻く環境は大きく変化しており、企業には事業の推進と同時に、さまざまな社会課題の解決や地球環境への貢献が求められている」との見方を示した。(図1)
その中で、社会トレンドの変化については「地球環境の保全やつながるモノの拡大、消費・生活スタイルの変化など、ITとデジタルの普及によって企業活動から消費・生活スタイルまで大きく変化しており、企業が対応しなければならない課題やニーズは複雑化・多様化している」と説明した(図2)。
関連記事
- 「Weekly Memo」記事一覧
- デジタルツインで実現する「ソサエティDX」とは――NTTデータの研究開発から読み解く
デジタルツインを活用して社会全体のDXを実現する――。NTTデータがこんな研究開発を進めている。その内容が興味深いので考察したい。 - サステナビリティやESGに取り組まない企業は消費者から見放される AIやテクノロジーの活用が鍵
日本オラクルの調査によると、日本企業のサステナビリティや社会問題への取り組みは「不十分」と考える人は9割を超え、そうした課題に積極的に取り組まない企業からは離職し、より重視する企業に転職したいと考える人は7割弱に及ぶことが分かった。 - 企業はなぜDXに向けて「ソフトウェア企業」へと変態すべきなのか
「DXに取り組む企業は『ソフトウェア企業』になれ」とよく言われるが、なぜか。NTTデータが自社イベントで、この疑問に答えた内容が興味深かったので取り上げて考察したい。 - 日本のポリシーでデータを管理 NTT3社、欧州と相互接続可能なデータ流通プラットフォームを開発
NTT 3社は、欧州のデータ流通プラットフォーム「Catena-X」と相互接続が可能なデータ流通プラットフォームを開発した。「Catena-X」利用時に日本のポリシーによるデータ保護が困難になる問題を解決し、安全なデータ流通を実現する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.