「Web3」は新しいWebサービスの在り方を総称するキーワードだ。それを実現する要素として、2020年は「DeFi」(分散型金融)、2021年は「NFT」(非代替性トークン)が注目を集めたが、2022年のキーワードは「DAO」(自律分散型組織)だ。世界中の人々の暮らしや経済はどう変化するのか。
「Web3の世界は、ユーザーやファンが貢献に応じて報酬をもらう時代」――。こう語るのは、gumiの創業者にしてFiNANCiEおよびThirdverseでCEO、ファウンダーなどを務める國光宏尚氏だ。
自らが代表を務めるファンドで、大規模なNFTマーケットプレースである「OpenSea」や大規模なブロックチェーンゲームギルドの「Yield Guild Games」(YGG)など多くのWeb3関連企業に投資し、ブロックチェーンゲームの開発も手掛ける。國光氏はWeb3のトレンドをどう見ているだろうか。NFTの事例、今注目されているDAOの動向を交えて語った。
本記事は「NexTech Week 2022【春】ブロックチェーンEXPO」での國光氏の講演「新たな時代がやってくる!Web3で世の中はこう変わる」を基に編集部で再構成した。
Web3特化型ファンドで大きな成果
國光氏は、投資ファンドの「gumi Cryptos Capital」を通してWeb3領域に投資してきた。2018年の1号ファンドでは株式トークン(ブロックチェーン上に発行されるデジタル証券)で20社、エクイティで16社、合計36社に総額約20億円を投資した。
「2018年ごろは世界的にWeb3関連の企業がそれほど多くなかったので、1号ファンドはかなりの成果を上げました。2022年3月に立ち上げた2号ファンドは、金融系やゲーム系など続々登場する特化型ブロックチェーンサービスに加え、メタバースや異なるブロックチェーン同士をつなぐクロスチェーンソリューションなどに注目し、約130億円の投資を予定しています」(國光氏)
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