なぜ「Amazon Prime」の顧客体験が好評なのか――AWSジャパン社長の話から解き明かす:Weekly Memo(1/2 ページ)
Amazon Primeの迅速な商品配送による「顧客体験」が多くの利用者に好評なのはなぜか。AWSジャパン社長の年次イベントでのスピーチから解き明かしたい。
「Amazon Primeの迅速な商品配送に向けては、私たちの最新テクノロジーを駆使した『顧客体験』向上へのチャレンジを今も日々続けている」
米Amazon Web Services(AWS)の日本法人であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)社長の長崎忠雄氏は、同社が2022年5月25〜26日にオンライン開催した年次イベント「AWS Summit Japan」の基調講演で、AWSの親会社であるAmazon.comの会員制サービス「Amazon Prime」を顧客事例として説明した際に、こう強調した。なお、「顧客体験」はカスタマーエクスペリエンス(CX)のことだが、本稿では長崎氏が顧客体験と表現していたので、そのまま表記する。
「もうAWS上で何でもできる」 平易な表現の理由は?
今回のAWS Summit Japanも盛りだくさんの内容だったが、中でも多くの利用者から顧客体験の観点で好評を得ているAmazon Primeについて、その理由を長崎氏が説明していたのが興味深かったので、本稿ではそのスピーチにフォーカスして「顧客体験の最前線」を解き明かしたい。
その前に、長崎氏がAWSのクラウドサービスについて紹介した中で解説したい点が2つある。
一つは200を超えるサービスについて。「AWSグローバルクラウドインフラを利用することで、日本のみならず世界中ですぐにやりたいことができるようになった」と述べた同氏は、図を示しながら(写真1)「これらのサービスであらゆるワークロードをサポートしている」と説明した。さらに「AWSのサービスを利用することでお客さまはビジネスのスピードを手に入れ、浮かんだアイデアをすぐ形にできる」と続けた。一言でいえば「もうAWS上で何でもできる」とのメッセージだが、これまでにも増して平易な表現だったように感じた。この感覚は次の点にもつながる。
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