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新たなリスク対策として浮上した「シナリオプラニング」とは?――NRI調査
東証プライム市場上場企業を対象にNRIが実施したグローバルリスクに関する調査によると、世界情勢の変化などを背景に日本企業のリスク認識は高まっていることが分かった。ただし、従来型のBCPなどに比べてシナリオプランニングやCRO設置といった新しいリスク対策に関する検討が進んでいないことが判明した。その理由は何か。
野村総合研究所(NRI)は2022年8月18日、「グローバル・リスクと日本企業の対応に関するアンケート調査」の結果を発表した。リスク意識が高まる中で、シナリオプランニングなどの対策に注目が集まっていることが分かった。
同調査は、最近の世界情勢の変化を踏まえ、日本企業のリスク認識とリスク対応における変化を把握するため、東京証券取引所プライム市場に上場する企業を対象に2022年6月6〜22日の間実施し、105社から有効回答を得た。
上場企業が重視するリスク対応は?
同調査結果によると、「ロシアによるウクライナ侵攻」の影響を事前に自社のリスクとして織り込んでいた企業は10%未満だった。
回答企業のうち、ウクライナ侵攻をその開始以前から「すでに事業計画に織り込んでおり、対応を進めていた」のは3.8%、「織り込んでいたが、対応は準備していなかった」のは5.7%にとどまった。侵攻を「織り込んでいなかった」企業が68.6%と多数を占めた。NRIは「地政学的リスクへの注目は高まっているが、日本企業の多くはウクライナ侵攻について現実味を帯びたリスクとは認識していなかったことがうかがえる」としている。
最重視するのは経済リスク、内部リスクに課題
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