「“改善”の中心には常にデータがある」 全方位的なデータ活用で “改善のサイクル”を回す東京エレクトロン:DX Summit vol.13 レポート
半導体製造装置のグローバルカンパニーである東京エレクトロンがデータプラットフォームを構築する理由とは何か。同社がかつての“弱点”と向き合った後、どのようにプラットフォームを構築、運用しているのかを同社の ITユニット 情報システム一部 部長代理 柿 良幸氏が解説する。
東京エレクトロン(以下、TEL)は1963年設立、2022年3月期の売上高は2兆38億円だ。売上の大部分を半導体製造装置が占め、グローバル展開を進める同社は世界18の国と地域に77拠点を有する。
設立当初は主に米国製の半導体製造装置を輸入し、技術サポートを付加価値とする技術専門商社だった。次第に自社製品を開発、製造するメーカーとして地位を築いた後、半導体の需要の高まりとともに事業は躍進し、世界市場にも進出した。
本稿は2022年8月29日〜9月1日に開催されたITmedia 主催「DX Summit vol.13 変わるデータ経営、変わるデータ基盤」の講演「Global One “Data” Platformの開発とDXを活用したさらなる業務効率化へのチャレンジ」を基に編集部で再構成した。
米企業との統合計画不成立 その時浮かび上がった“弱点”とは
同社にとって転機となったのが米国の大手半導体製造メーカーであるAMATとの統合計画だ。2013年に発表した統合計画は2015年に不成立に終わったものの、準備の過程でTELの強みと弱みが浮き彫りになったのは収穫といえるだろう。顧客からの信頼や社内における価値観の共有などが強みとなる一方、オペレーションの不統合や時代遅れのITシステムが弱点だと痛感したという。
これをきっかけにTELは「いかに会社が一体となって拡大、成長を果たすか」に向き合い、業務プロセス全体をカバーするプラットフォーム構築プロジェクトが発足した。
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