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AIで企業競争力に差をつけるために必要なものは――ガートナーが提言:Weekly Memo(1/2 ページ)
AIで企業競争力に差をつけるための要件とは何か。ガートナーの亦賀忠明氏の話を基に考察した。
「企業はAI(人工知能)を活用しなければ生き残れなくなる」
こう語るのは、ガートナージャパン(以下、ガートナー)の亦賀(またが)忠明氏(ディスティングイッシュトバイスプレジデント、アナリスト)だ。同社が2022年9月14〜16日に都内ホテルで開催した「ガートナー データ&アナリティクス サミット」において同氏が登壇した「AIトレンド2022」と題した講演での発言である。
同氏の発言の意図は何か。本稿では亦賀氏の講演から、AIで企業競争力に差をつけるための要件について筆者が注目した内容を紹介し、考察したい。
企業にとってAIは導入するものではなく「作るもの」
日本企業におけるAIの活用状況について、亦賀氏はガートナーが2022年4月に実施した調査から次のような結果を紹介した。
まず、AIの導入率や関心度については「導入済み」14%、「検討中」23%、「関心あり」22%とポジティブな回答が合計で6割を占めた一方、「遠い将来の話」15%、「関心なし、その他」26%と、ネガティブな回答も4割に上った。
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