SAPがパブリッククラウド型「SAP S/4HANA Cloud」最新版を提供開始
SAPジャパンは、パブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloudの最新版の提供を開始した。また、地方の建設コンサルタント会社が「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするクラウドオファリング「RISE with SAP」などのSAPソリューションを導入した。
SAPジャパンは2022年10月4日、パブリッククラウド型「SAP S/4HANA Cloud」の最新版の提供を開始した。最新版では、開発言語のABAPを使ってカスタム機能を開発できる。従来版では標準機能でカバーできない業種、あるいは顧客固有の要件を実現するためにローコード/ノーコードツールを使って顧客が独自にカスタマイズする「In-App拡張」と「SAP Business Technology Platform」(SAP BTP)をプラットフォームにアプリケーションを開発し、そのAPIをSAP SAP S/4HANA Cloudとつなぐ「Side-by-Side拡張」の2つの方法を提供していた。
拡張の柔軟性が高まる
従来のパブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloudは、業種によって大きな違いが生じない会計中心の領域で、標準機能を可能な限り活用するFit to Standard型の導入を前提としてきた。この領域に向けた拡張性要件は、これら2つの拡張方法で十分対応できるものだったとしている。
最新版のABAPによるカスタム機能開発拡張は拡張の柔軟性を高めるものだ。
販売業務や製造業務といったさまざまな業種や顧客に固有の要件にも対応できる。さらにABAP開発拡張は、公開オブジェクトを使用した開発手法を採用しており、将来の製品アップグレードの影響を受けないとしている。
地方の建設コンサルタント会社がSAPソリューションを導入
SAPジャパンは2022年10月4日、同社のクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするクラウドオファリング「RISE with SAP」などのSAPソリューションをエイト日本技術開発が採用したと発表した。
岡山県に本店を置く総合建設コンサルタント会社のエイト日本技術開発は、同社が策定した「EJEC長期ビジョン2030」に沿って、SAPソリューションを活用して「価値ある環境と持続可能な社会の未来を切り拓く次世代創造企業」を目指すとしている。
エイト日本技術開発は、EJEC長期ビジョン2030の一環としてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、業務プロセスの改革に取り組んでいる。同社は、システムの基本設計を進めた結果、Fit to Standardアプローチによって経営基盤を短期間で導入できる点や、四半期ごとの機能アップデートによって最新技術を利用できる点などを評価し、パブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloudの採用を決めた。
人事管理クラウドの「SAP SuccessFactors」や経費精算管理の「SAP Concur」、従業員エクスペリエンス管理ソリューション「Qualtrics EmployeeXM」も導入し、ERPを中心に情報を一元管理できる基盤を整備することでデータドリブン経営を目指す。
建設コンサルタント業界で人材確保が課題となる中、エイト日本技術開発は人材の獲得と育成、管理、エンゲージメントに注力している。SAP SuccessFactorsによって、従業員のスキルや経験を可視化し、スキル別、地域別、工種別に人材の過不足状況を把握してプロジェクト収支の事前シミュレーションの実現を目指すとしている。
SAP SuccessFactorsによる人的資本経営を促進するシステムの構築は、ノムラシステムコーポレーションが担当する。
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