ChatGPTを超える検索用AI言語モデルを採用 新たなBingとEdgeがリリース
MicosoftはAI技術を取り込んだ「Microsoft Bing」と「Microsoft Edge」を発表した。検索専用にカスタマイズされたAI言語モデルをはじめとして4つの技術的なブレークスルーを取り込んでいる。
Microsoftは2023年2月7日(現地時間)、検索エンジン「Microsoft Bing」(以下、Bing)とWebブラウザ「Microsoft Edge」(以下、Edge)にOpenAIのAI(人工知能)技術を採用したと発表した。検索や閲覧、チャットに新しい統合されたUI/UXを提供し、検索エンジン市場に一石を投じるという。
「ChatGPT」を超えるAIモデルを採用することでBingはどう変わる?
Microsoftは、既にデスクトップ向けのBing.comでプレビュー版の提供が開始しており、今後数週間でプレビュー版の対象を数百万に拡大する予定であると説明している。モバイル版に関しても間もなくプレビュー版の開始を始める予定だ。
Bingは世界第2位の検索エンジンだが、そのシェアは「Google Chrome」に大きく差をつけられている。StatCounterの報告によれば、2023年1月における検索エンジンのシェアはGoogle Chromeが92.9%で1位を占め、これにBingが3.03%と続いている。
Microsoftは、OpenAIが発表した「ChatGPT」やChatGPTの言語モデル「GPT-3.5」などのAI技術を同社の製品に積極的に取り組む計画だ。今回の発表はこうした取り組みのマイルストーンとなるものであり、検索エンジン市場でシェアの拡大を実現する一手とする狙いがあるとみられる。
Microsoftは新しいBingに以下4つの技術的ブレークスルーを取り込んでいると説明している。
- ChatGPTよりも強力で検索専用にカスタマイズされた新しい次世代OpenAI大規模言語モデルを採用。ChatGPTおよびGPT-3.5の研究成果を活用しており、より高速で正確、かつ、高性能なエンジンを実現している
- OpenAIモデルのパワーを最大限活用できるようにした機能およびテクニックの集大成である「プロメテウスモデル」の採用。この技術によって安全性が向上した他、関連性の向上、タイムリー性が向上している
- AI技術モデルをBing検索エンジンのコアに適用することで過去20年間でもっとも高い関連性を提供。基本的な検索においてもより正確で高い関連性を実現した
- 検索や閲覧、チャットといった操作の統合を実現。Webと対話するための新しいエクスペリエンスを提供する
検索エンジンにおけるAI導入については、Googleも研究開発に取り組んでいる。Googleは比較的慎重に開発を進めていると見られており、Microsoftが一歩先行する形でプレビュー版を公開したことになる。
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