New Relicが新機能「Change Tracking」を提供 システム変更を追跡して原因特定を容易化
New Relicはエンド・ツー・エンドの変更追跡機能「Change Tracking」の一般提供を開始した。全てのシステム変更を追跡することで性能や安定性に与える挙動を監視し、原因発生時の特定を容易化する。
New Relicは2023年3月8日、ITシステム基盤向けの「オブザーバビリティ」(可観測性)プラットフォーム「New Relic」において、エンド・ツー・エンドの変更追跡機能「Change Tracking」の一般提供を開始した。サービスのリリースや環境変更をシステム全体にわたり可視化することを目的とする。
同機能を活用すれば、エンジニアはアプリケーションパフォーマンス管理(APM)だけでなくブラウザやモバイル、サービスレベル管理、カスタムダッシュボードなどから、あらゆる構成要素の変更トラッキングが可能になり、迅速なトラブルシューティングやパフォーマンス上の問題や安定性問題の特定が容易になる。
あらゆる変更をトラッキングし、性能劣化や不安定化の原因を特定
New Relicによると、エンジニアリングチームはシステムのアプリケーションやインフラストラクチャに対し、毎日のように複数の変更を加えている。こうした変更要件の増加はパフォーマンス低下に結び付く他、その原因となる変更箇所を特定する作業が複雑化する可能性が高い。
こうした現状に対し、Change Tracking機能は全システムの変更追跡を実施し、アプリケーションやインフラストラクチャの不安定化要因やダウンタイムの原因となるデプロイメント、構成変更、ビジネスイベントなどを迅速に特定することを可能にする。
New RelicのChange Tracking機能の主な特徴は以下の通りだ。
- デプロイメントからビジネスイベントへの設定変更に至るまであらゆる変更をトラッキング
- 「CircleCI」「JFrog」「New Relic CLI」「Jenkins」「GitHub Actionsプラグイン」などさまざまなCI/CDツールとの連携
- APM、ブラウザ、モバイル、サービスレベル管理、カスタムダッシュボードなどにおいてソフトウェアパフォーマンスの影響を確認可能
- 全く新しい変更分析インタフェースの提供
- 変更関連インシデントに対する迅速なコンテキストの提供
New RelicのChange Tracking機能はフルプラットフォームユーザーの標準機能に含まれており、該当するユーザーには追加のコストは発生しないとされている。
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