AI開発とデプロイを加速 NVIDIA AI EnterpriseがAzure MLに統合
NVIDIAはMicrosoftのAzure Machine Learningに自社のAIプラットフォームのソフトウェアレイヤー「NVIDIA AI Enterprise」を統合すると発表した。企業におけるAI開発を支援する。
NVIDIAは2023年5月23日(現地時間)、MicrosoftのML(機械学習)構築支援サービス「Azure Machine Learning」に、AI(人工知能)プラットフォームのソフトウェアレイヤー「NVIDIA AI Enterprise」を統合すると発表した。
これによって「Microsoft Azure」のユーザーは100以上のNVIDIA AIフレームワークとツールを使用して、カスタマイズしたアプリケーションを迅速に構築、展開、管理できるようになる。同サービスは現在、テクニカルプレビュー版として提供されており、NVIDIAコミュニティーに登録すれば利用可能だ。
AI開発はどう変化するか?
ユーザーは今回の統合によって、Azure Machine Learningを利用することで開発やテストから大規模なデプロイに至るまで、さまざまな規模でアプリケーションをスケーラブルに展開できる。Azure Machine Learningのデータ暗号化機能やアクセス制御機能、コンプライアンス認証機能を組織のポリシー要件に適用させることも可能だ。NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアはセキュアに稼働可能なAI機能を提供することでAzure Machine Learningを補完することになる。
NVIDIA AI Enterpriseにはデータサイエンスのワークロードに対応する「NVIDIA RAPIDS」に加えて100以上のフレームワークやトレーニング済みのモデルおよび開発ツールが含まれている。その中でも「NVIDIA Metropolis」はビジョンAIモデルの開発、「NVIDIA Triton Inference Server」はモデルの展開と実行の標準化を支援する。
NVIDIAのマヌバー・ダス氏(エンタープライズコンピューティング担当バイスプレジデント)は今回の統合について「生成AIアプリケーションの波が迫る中、企業はイノベーションを促進する安全なアクセラレーテッドツールやサービスを求めている。NVIDIA AI EnterpriseとAzure Machine Learningを組み合わせることで、企業は開発から実稼働まで直線的かつ効率的にAIへの取り組みを促進できる」と述べた。
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