東京都が中小企業のセキュリティ対策をサポート 「3カ月無料」でサービス提供
企業規模を問わず、サイバー攻撃の標的となる今、予算と人手が不足しがちな中小企業にとってセキュリティ対策は頭の痛い課題となっている。東京都が取り組む都内の中小企業のセキュリティ対策強化をサポートする事業の内容とは。
アイティフォーは2023年5月31日、東京都から「中小企業サイバーセキュリティ対策強化サポート事業」を受託したと発表した。アイティフォーが同事業を受託するのは2022年に続いて2年連続となる。
「3カ月無料」で提供されるサービスの内容は?
アイティフォーが受託した事業は、東京都内に事業所を構える中小企業に対して、同社のAI(人工知能)型EDR(Endpoint Detection and Response)サービス「CyCraft AIR」を3カ月間にわたって無料で提供するものだ。
無料期間中は事前診断によるセキュリティ環境の把握や攻撃検知時のアラート通知、端末隔離サービス、導入後の運用定着やセキュリティ環境改善のコンサルティング、インシデント発生時の遠隔操作対応などのサービスを提供する。
さらに、セキュリティ専門家による指導を通じて、IPA(情報処理推進機構)が設けている中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度「SECURITY ACTION」の二つ星(注1)を宣言できるよう支援する。
なお、2022年に実施された同事業に参加して3カ月の試運用期間を終えた企業20社にCyCraft AIRの満足度を尋ねた調査によると、「満足」「ほぼ満足」という回答が55%に達した。アイティフォーは2023年の目標として「経営者を巻き込んだ意識改革」を掲げる。より多くの企業が満足するよう、ヒアリングやコンサルティングに重点を置いたサービスを提供するとしている。
(注1)「SECURITY ACTION」に取り組む企業は、取り組み内容に応じて「一つ星」と「二つ星」どちらかのロゴマークの使用を許可される。政府が給付する「IT導入補助金」申請時には一つ星宣言もしくは二つ星宣言をすることが必須要件となる。
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