伊藤忠テクノと日本マイクロソフトが連携 生成AIによる分析サービスを開発
CTCは日本マイクロソフトと連携し、生成AIを活用したセキュリティ分析サービスを開発すると発表した。脅威の収集や分析、初動対応の検討、顧客への通知などを生成AIが支援し、セキュリティ脅威対策の高度化を図る。
伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は2023年7月7日、日本マイクロソフトと連携し、同社のセキュリティ・オペレーション・センター(CTC-SOC)において生成AI(人工知能)を取り入れたセキュリティ分析サービスを開発すると発表した。
生成AIの活用でSOC運用はどう変わるか?
CTCは、Microsoftの生成AIサービス「Azure OpenAI Service」や脅威情報収集・分析ソリューション「Microsoft Defender 脅威インテリジェンス」(Defender TI)、セキュリティ監視基盤「Microsoft Sentinel」などにおいて、CTC-SOCのサービスやセキュリティアナリストの知見と脅威情報を生成AIの学習データとして利用し、分析の精度や品質の向上につなげ、脅威に対する分析業務の高度化を実現する。
CTC-SOCは24時間365日、顧客システムを遠隔監視しつつ、インターネットの脅威動向を調査および分析するマネージドセキュリティサービスだ。脅威情報の集約や要約、初動対応の内容検討、被害発生を未然に防ぐための対処方法の検討、顧客に通知する文章の作成と編集など、さまざまな業務を実施する。今回の協業はこれまで同社が培ってきたノウハウを生成AIに学習させることで作業の支援を強化する。
なおCTCはマネージドサービスやセキュリティサービスを含めたハイブリッド支援サービス「OneCUVIC」など、CTC-SOCを含めて企業のセキュリティを支援する総合的なサービスを展開している。こうしたサービスにおいて生成AI導入の検討から実装までをカバーするコンサルティングサービス「生成AIアドバイザリサービス」も2023年5月からすでにサービスを提供している。
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