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DataRobotが新サービスを発表 大企業向け生成AIの開発から監視までを支援
DataRobotが新しい生成AIのサービスを発表した。生成AIと予測AIが統合されており企業が独自のAIモデルやアプリを簡単に作れるようになる他、AIスキル向上の教育プログラムも提供する。
DataRobotは2023年8月10日(現地時間)、生成AI(人工知能)の新しいサービスを発表した。
新サービスは「DataRobot AI Platform」に生成AIと予測AIの双方の機能を統合したもので、エンタープライズグレードのAIアプリケーションとアシスタントの実験や構築、展開、監視、調整を実施するためのオープンでエンド・ツー・エンドのソリューションを提供する。
生成AIを利用したサービスの構築から運用監視までを一括支援
新たなサービスで提供される主な機能は以下の通りだ。
- 企業向けに拡張された生成AIモデルを提供する。大規模言語モデル(LLM)やベクターデータベース、プロンプト戦略などをDataRobotのホストするノートブック内で企業データとシームレスに統合できる。コードファーストのエクスペリエンスや事前構築されたアシスタントレシピによって独自のニーズを満たすカスタマイズされたソリューションを迅速に開発できる
- 企業グレードの生成AIオブザーバビリティを提供する。高度なモニタリングや管理、ガバナンスによって、生成AIや予測AI資産の運用に対する信頼性を引き上げる。運用やデータドリフトメトリクスから生成AI固有メトリクスまで重要なものを測定してユースケース固有のガードレールを使い、アプリケーションがオントピックであることを確認できる
- 簡単に構築できる生成AIアプリケーションを提供する。DataRobotがホストする「Streamlit」アプリケーションサンドボックスを使用してわずか数行のコードでビジネス関係者やエンドユーザーに完全な生成AIを搭載したエクスペリエンスを提供するエンド・ツー・エンドのアプリケーションとアシスタントを迅速にプロトタイプ化、構築、デプロイが可能となる
その他、DataRobotは従業員のAIスキルアップのために、AIのエキスパートによって開発された以下の教育プログラムを提供する。
- 管理職と実務家向けの生成AIトレーニングを提供する。これは今日の市場において競争力を維持するために必要な生成AIに関する習熟レベルをリーダークラスの人材が迅速に習得することを目的としたプログラムだ
- 生成AIテーマ創出ワークショップ&ロードマップワークショップを提供する。価値の高いビジネスチャンスを体系的に特定して優先順位を付け、リーダーやデータチーム、利害関係者を調整することでユースケースのアイデア出しから実装までを学べるワークショップを開催する
- 生成AIトラストとコンプライアンスフレームワーク(米国版のみ)を提供する。既存のガイドラインへの準拠や責任ある生成AIのガバナンスの構築、策定前の規制に対応するフレームワークを学べる
DataRobotが提供する新しいサービスは企業が生成AIを利用したサービスを迅速に実験し、本番環境にデプロイし、その運用を監視するための一連の作業を支援するものだ。DataRobot AI Platformに統合されておりマルチクラウド環境で利用可能となっている。
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