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Salesforceが「Einstein」の次世代版を発表 ユーザーによるAIアプリ開発が可能に
SalesforceはCRMの課題解決に向けたAI「Einstein」の次世代版と関連サービスを発表した。顧客のAIによる業務利用を推進し、新しいCRM体験を創出する狙いがある。
Salesforceは2023年9月12日(現地時間)、CRMの課題解決に向けたAI(人工知能)「Einstein」の次世代版を発表した。これを活用することで同社の顧客は自らAIアシスタントを開発しさまざまな業務に組み込めるようになる。
ユーザーがAIアプリを開発してCRM業務を改革 次世代版Einsteinの実力は
新しい構成要素としては以下の2つが取り上げられている。
- Einstein Copilot:「Salesforce」に搭載された新しい対話型AIアシスタント。ユーザーが自然言語で問いかけると「Salesforce Data Cloud」の企業データに基づいて回答を生成して提供する他、営業電話後の推奨アクションプランや新しいサービスのナレッジ記事の作成などユーザーの問い合わせ以外の追加アクションのオプションに関する提案などにも対応できる
- Einstein Copilot Studio:新しい世代のAI搭載アプリを構築する。取引の迅速なクローズやカスタマサービスの効率化、パーソナライズされた閲覧履歴に基づくWebサイトの自動生成、自然言語からコードの生成など多種多様な業務タスクに合わせた開発が可能になる。Einstein CopilotをWebサイトなどのコンシューマー向けチャネルで利用できるようにするための設定機能なども提供しており、リアルタイムチャットの強化や「Slack」「WhatsApp」、SMSなどのメッセージングプラットフォームと統合できる
また同日、Salesforceは新しい「Einstein 1 Platform」についても発表した。これを利用することで顧客は、AIを活用したアプリをローコードで開発し、新しいCRM体験を得られるようになる。Einstein CopilotとEinstein Copilot StudioはEinstein 1 Platformでネイティブに構築されたセキュアなAIアーキテクチャだ。
多くの企業がAI技術の導入に取り組んでおり、早期から取り組みをはじめた企業はすでに大きな業務改善を実現している。今回Salesforceが発表した新しいサービスは企業が自らの業務にAIの活用を取り込むために必要なものとなる。既存のCRMと統合されていることでシームレスに新しいサービスを追加することができる点が大きな利点となる。
Salesforceは2023年秋にEinstein CopilotとEinstein Copilot Studioのパイロットの実施を予定している。
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