Google、パスキーに対応したTitan Security Keyを10万個「無償配布」する計画を発表:セキュリティニュースアラート
Googleは最新版のTitan Security Keyを発表した。この新デバイスは250個のパスキーの保存が可能でGoogleストアで販売されている。Googleは2024年を通して高リスクユーザーに10万個を無償配布する計画だと説明している。
Googleは2023年11月15日(現地時間)、物理セキュリティキー「Titan Security Key」の最新版を発表した。このキーは250個までのユニークなパスキーを保存できる。
最新版は「Googleストア」ですでに販売開始されており、同社は2024年を通して全世界の高リスクユーザーにこれらのキー10万個を無償で提供するとしている。
250個のユニークなパスキーに対応 新世代のTitan Security Keyとは?
パスワードはサイバーセキュリティにおいて依然として重要なポジションを占めている。ユーザーにはアカウントごとに異なる強いパスワードを使うことが推奨されている。しかし、ユーザーは弱く覚えやすいパスワードを複数のアカウントで使い回しているのが実態だ。
Googleはこの現状に対し、二要素認証を実現するツールとして、物理セキュリティキーTitan Security Keyを2018年に発表し、2019年に販売開始した。Titan Security Keyは、アカウントへのアクセスに物理的なトークンを提供することでデジタルのみの認証方法よりも強固な保護を実現できると説明されている。
Googleは2023年のはじめに全ての「Google アカウント」に対してパスキーのサポートを発表した。パスキーはパスワードなしでアカウントにサインインするシンプルで安全な方法だと考えられている。新しいTitan Security Keyはポータブルなハードウェア上でパスキーの安全な暗号化を包含するように意図的に設計されており、スマートフォンやパスキーをサポートしていないデバイスを使用するユーザーに対する選択肢となる。
Googleは最終的にはパスワードの使用を廃止することがより安全なオンラインの利用につながると考えている。パスキーはそれを実現するための効果的な方法だとされている。Titan Security Keyのアップデートはこうしたパスキーが活躍する状況へ進むための方策の一つだと考えられている。
本稿執筆時点で、日本のGoogleストアから新しいTitan Security Keyのページにアクセスはできるが、これを購入することはできない。購入しようとするとウェイトリストに登録され、準備が出来次第連絡するとのメッセージが表示される。
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