IT/OTを横断して脅威を可視化 トレンドマイクロと萩原テクノソリューションズが連携:セキュリティニュースアラート
萩原テクノソリューションズとトレンドマイクロは製造業のサイバーセキュリティリスク低減に向けて戦略的パートナーシップを強化した。
トレンドマイクロと萩原テクノソリューションズは2023年11月20日、製造業界のセキュリティリスク低減に向けて戦略的パートナーシップを強化して連携すると発表した。
IT/OT環境を横断してサイバー攻撃の全体像を可視化
萩原テクノソリューションズは、OT領域で40年以上の実績から得た知見を持ち、OT領域の課題解決に向けた最適なITソリューションの提案が強みだ。
トレンドマイクロはサイバーセキュリティ領域において、エンドポイントやネットワーク、電子メール、クラウドやOT環境を統合して保護する製品およびソリューションに強みを持っている。
両社はそれぞれの強みを組み合わせることで、IT/OT環境を狙うサイバー攻撃をより迅速に把握し、適切な対応を実現する。具体的にはトレンドマイクロが提供する「EdgeFire」「EdgeIPS」「Deep Discovery」などのOT向け製品に加えて、統合サイバーセキュリティプラットフォーム「Trend Vision One」の導入を推進する。
両社は、Trend Vision OneのXDR(Extended Detection and Response)機能を活用し、IT環境のEPP(Endpoint Protection Platform)/EDR(Endpoint Detection and Response)や工場環境のOT専用ネットワークセキュリティをセンサーとして、それぞれのレイヤーで検知した脅威や侵入痕跡の相関分析を自動化し、サイバー攻撃の全体像を可視化し、より迅速なサイバー攻撃への対応を実現する。
萩原テクノソリューションズは、OT領域で得た大規模実績および知見とトレンドマイクロの脅威インテリジェンスを活用し、ソリューション専任チームによるIT/OT環境のセキュリティアセスメントを実施する。リスクの可視化とその結果に基づいたセキュリティ計画を策定することで最適なソリューションを提案する。具体的には、SOCサービスベンダーと連携し、Trend Vision Oneを基盤としたIT/OTの統合セキュリティ運用などを支援する。
工場などのシステムは専門性が高く、これまでインターネットに接続されていない閉域環境で運用されてきた。しかし近年、生産プロセスの最適化や生産性向上のためにIoTやOTの活用が進み、こうした領域においてもサイバーセキュリティへの対応が必要不可欠な状況が生まれている。
現状に対してユーザーはIT/OTを横断し、サイバーセキュリティに関するイベントを統合的に検出して対応することが必要になっている。両社の提携はこうしたIT/OTにおけるサイバー攻撃の一貫した可視化や検知、対応を実現することを目指す。
萩原テクノソリューションズは2023年10月1日に専任チームを新設しており、本戦略を介して今後1年間で10億円の売上目標を掲げている。
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