マネージドEDRサービス市場成長の要因とは? ITRが動向予測を発表:セキュリティニュースアラート
ITRは、国内マネージドEDRサービスの市場規模推移および予測を発表した。マネージドEDRの売上規模は増加しており、今後数年間はこの傾向が継続する見込みだ。その要因とは。
アイ・ティ・アール(ITR)は2023年11月21日、国内マネージドEDR(Endpoint Detection and Response)サービスの市場規模推移および予測を発表した。マネージドEDRの売上規模は増加しており、今後数年間はこの傾向が継続する見込みだ。
マネージドEDRサービスは、EDR製品を導入している企業または導入を検討している企業に向けて、専門家がEDR製品の運用・監視、インシデント対応などを代行する。
マネージドEDRサービス市場の成長要因とは?
マネージドEDRサービス市場の2022年度の売上金額は156億円、前年度比42.6%増となった。EDRはEPP(Endpoint Protection Platform)では防御できない脅威を検知し、隔離などの対処や回復の支援を実施するソリューションであり、迅速な対応によって被害を最小限に防ぐには導入後の運用が重要となる。
ITRによると、セキュリティベンダーの間では、ライセンス販売と運用監視を実施するマネージドサービスをセットで販売することが一般化しており、EDR製品ベンダーもライセンス販売だけではなく、自社でSOCを構築して同サービスを提供するケースが増加しているという。
大企業においてはEDR製品とマネージドEDRサービスの導入が一段落したこともあり、各ベンダーともに中堅・中小企業向けに廉価版を展開する動きが進んでいる。この動きから顧客の裾野は拡大傾向にあり、2023年度は25.1%増が見込まれる。ITRは、同市場のCAGR(2022〜2027年度)を13.4%、2027年度には292億円に達すると予測している。
ITRの藤 俊満氏(コンサルティング・フェロー)は「EDRは次世代型のマルウェア対策として、大企業を中心に従来型のEPPからの置き換えが進んでいる。EDRは従来型のEPPとは異なり、怪しい振る舞いの検知によってアラートを発報するため、アラートに対して対応すべきかの判断などでスキルのある要員による運用監視が必要となる。このためEDR導入時に運用監視を担うマネージドサービスがセットで販売されることが多く、マネージドEDRサービス市場はEDRの普及とともに今後大きく伸びると期待される」とコメントした。
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