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データサイエンティストより年収が上がりやすいIT職種とは? dodaが平均年収レポートを公開
パーソルキャリアの転職サービス「doda」は「IT職種の転職前後の平均年収レポート」を発表した。調査によると、転職前後の平均年収増加幅ではデータサイエンティストを抜いてあるIT職種が1位となった。
パーソルキャリアの転職サービス「doda」は2024年2月8日、「IT職種の転職前後の平均年収レポート」を発表した。
転職で年収を大きく伸ばせるIT職種は? dodaが平均年収レポートを公開
今回の調査では、2023年1〜6月の期間にdodaのエージェントサービス経由で転職した個人を対象に、転職前後の年収の平均値とその増加幅を算出した。
調査結果の主な内容は以下の通りだ。
- 転職後にIT職種に就いた人の平均決定年収(転職先企業が採用時に提示した年収)は477万円で全体よりも26万円高かった。転職により年収が上がった人の割合は全職種総合で約6割。中でもIT職種では7割が年収増に成功した。IT職種の離職防止や採用力強化を図るために給与水準を見直し、改善する企業が増えたことが要因ではないかと考えられる
- IT職種全般からの転職先として最も年収増加幅が大きい職種は「セキュリティエンジニア」の67万円増だった。デジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウド利用が進んだことでセキュリティリスクに対応できる経験者の採用ニーズが高まったことが要因とみられる
- 同職種からの転職による年収増加幅が最も大きいのも「セキュリティエンジニア」だった。こちらは64万円増となった。2位は「データサイエンティスト」の63万円増、3位は「インフラエンジニア」の44万円増だった
この調査結果は転職により年収が上がる人のほうが多いことを示している。特にIT職種はその傾向が強いことが分かった。
dodaは今回の調査結果について「IT人材の採用難易度が高い状況にあるために企業は採用成功率を向上させるために決定年収を引き上げる傾向を見せている」と指摘した。中でも採用ニーズが集中しているポジションは転職後の年収増加幅が大きいことが分かる。
この他、dodaは「売り手市場の状態が続いているため、給与が上がるという理由で転職先を考えるIT職種の経験者が増えてきた印象がある」とし、「給与は職場を選ぶ上で重要な項目の一つだが、『その転職を通して何が得られるか』に立ち返ることも大切だ」とコメントした。
dodaは「長期的なキャリアプランを考えた上で転職において重視すべきポイントを整理することが、自分が本当に望む働き方をかなえることにつながる」とアドバイスした。
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