Kali Linux 2024.1が公開 セキュリティ対策に特化した複数の新機能を追加:セキュリティニュースアラート
Offensive Securityは「Kali Linux」の最新版となる「Kali Linux 2024.1」を発表した。Bluetoothデバイス発見サービスなどの新しいツールが追加された。
Offensive Securityは2024年2月28日(現地時間)、ペネトレーションテストやセキュリティ監査に特化した「Linux」ディストリビューション「Kali Linux」の最新版となる「Kali Linux 2024.1」を発表した。
Kali Linuxの進化 2024.1版の目玉機能とは?
Kali Linuxはペネトレーションテストやセキュリティ監査、フォレンジックス、リバースエンジニアリングなどの情報セキュリティタスクに特化したLinuxディストリビューションだ。Offensive Securityが主な開発や支援を実施している。
600以上のセキュリティテストツールがプリインストールされている他、高度なカスタマイズを特定のニーズに合わせて利用できる。継続した開発と定期的なアップデートが提供されている。
2023年12月に公開された「Kali Linux 2023.4」以降の主な変更内容は以下の通りだ。
- 無償のMicro Mirror CDNを提供。FCIX Software Mirrorの提供による無償のイメージ用CDNの利用を開始
- 2024年の新しいテーマを提供。2024年に合わせて新しい壁紙とGRUBテーマにアップデート
- デフォルトおよびその他のデスクトップ環境に幾つかの調整を実施
- NetHunter Rootless for Android 14のアップデート
- 幾つかの新しいツールの導入
今回のリリースで追加された新しいツールは以下の通りだ。
- blue-hydra: Bluetoothデバイス発見サービス
- opentaxii: EclecticIQによるTAXIIサーバ実装系
- readpe: Windows PEファイルを操作するコマンドラインツール
- snort: 柔軟なネットワーク侵入検知システム
今回のリリースでは「FCIX Software Mirror」がKali Linuxのイメージをホストするようになった点が注目されている。オープンソースソフトウェア(OSS)プロジェクトではしばしば、こうしたスポンサーシップを受けてソフトウェアが配布される。今回のサポートでKali Linuxはこれまでよりも快適なミラーの提供が可能になった。
Offensive SecurityはKali Linuxを使った複数のトレーニングコースや資格認証なども提供している。このディストリビューションはしばしばセキュリティ専門家やエンスージアストに使われており、業界において一定の役割を担っている。
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