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Cloudflareが最新の脅威インテリジェンス機能を無償で提供 対象製品・機能は?:セキュリティニュースアラート
Cloudflareは全てのユーザーに対して無償で提供する脅威インテリジェンスおよびセキュリティ機能を発表した。ユーザーはSASEソリューションやWebセキュリティ機能などを活用できる。
Cloudflareは2024年9月24日(現地時間)、全てのユーザーが無償で利用可能な新たな脅威インテリジェンスおよびセキュリティ機能を発表した。
無償で利用可能なツールとしては、SASE(Secure Access Service Edge)ソリューションやWebサイトセキュリティ分析ツール、アカウント保護など複数の機能が含まれる。
Cloudflareが脅威インテリジェンスとセキュリティ機能を無償提供
今回無償で利用可能な主な脅威インテリジェンスやセキュリティサービスは以下の通りだ。
- Cloudforce One: インターネット上のユーザーやアプリ、デバイス、ネットワークを保護し、接続するために設計された包括的なSASEプラットフォーム。Cloudflareは今回無料でアクセスできる脅威インテリジェンスWebサイトを立ち上げた。ユーザーはこのWebサイトを使って脅威アクターの最新の活動や戦術に関する情報や新しいマルウェアや脆弱(ぜいじゃく)性、サイバー攻撃に関する洞察を得られる。また、この2年間でCloudforce Oneに追加された4つの新製品を無償アクセスできるように変更した他、組織によっては50シートが自動的に無料になる
- Security Analytics: 企業やWebサイト管理者が脅威を可視化し、分析するためのサービス。全てのHTTPトラフィックに対してセキュリティのレンズを提供し、悪意があると見なされているが軽減されていない可能性のあるトラフィックに集中できるようにする。このサービスはCloudflareが提供するセキュリティ機能の一部であり、主にWebトラフィックの監視や潜在的な攻撃を検出するために利用されている。今回このサービスの新しいダッシュボードが提供されるようになった。このサービスにはFreeプランが用意されている
- DNS Analytics: Webサイト管理者がDNSトラフィックの詳細なデータを可視化・分析するためのツール。管理者はこの機能によって自社のWebサイトやサービスに関連するDNSクエリのパフォーマンスやトレンド、潜在的な問題を理解し、DNSに関連するパフォーマンスやセキュリティを最適化できる。今回改善されたダッシュボードのアクセスが開放され、Cloudflareの全てのユーザーが利用できるようになった
- Leaked Credential Checks/ATO Detections: ユーザーの資格情報(メールアドレスやパスワードなど)がインターネットに漏えいしていないかどうかを確認するための機能である「Leaked Credential Checks」や、アカウント乗っ取りを検出するためのセキュリティ機能「ATO Detections」を全てのユーザーに対して無償で提供開始する。ログインの自動検出や最小限のセットアップによるブルートフォース攻撃の防止、150億を超えるパスワードの包括的な漏えい資格情報データベースへのアクセスなどが含まれている
- Cloudflare API Shield: APIを保護するための包括的なセキュリティソリューションである「Cloudflare API Shield」において、「Schema Validation」を使ったAPIへの有効なリクエストのみがオリジンに到達するようにする機能を提供開始する
- Page Shield: Webページに対するクライアントサイド攻撃を防ぐために設計されたセキュリティ機能である「Page Shield」の「Script Monitor」機能を全てのユーザーに対して無償で提供開始する。Script Monitorを使用することで開発者が含めたアセットだけでなくWebページに読み込まれた全てのJavaScriptアセットが表示されるようになる
- Cloudflare Turnstile App Check Provider: Cloudflareが提供するセキュリティ機能「Turnstile」をGoogleの「App Check」というセキュリティフレームワークと統合したソリューション。Turnstileの「Firebase App Check」拡張機能は無償で提供されており、Turnstileの無料利用枠で無制限に使用できる
- Google認証への対応: Googleアカウントを使ったサインインおよびサインアップに対応する
Cloudflareは今回の対応について「セキュリティツールを民主化し、大企業のリソースがなくても誰もが安全にコンテンツを提供し、インターネットに接続できるようにすることを目標に掲げている」と説明し、多種多様なユーザーがそうした恩恵を受けられるように全てのCloudflareユーザーに多くの新機能を無償で提供することを決定したと発表している。
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