マッキンゼーも活用するAI自動化 Copilot Studioの自律型エージェント作成機能とは
Microsoft Corporationは、Copilot StudioおよびDynamics 365で新たな自律型エージェントを発表した。この新機能により企業の業務プロセスが強化されることが期待されている。
Microsoftは2024年10月21日(現地時間)、企業が独自にAIアシスタントを作成するためのサービス「Copilot Studio」に「自律型エージェント」機能を追加する。併せて「Dynamics 365」では新たに10の業務特化型エージェントを投入する。
Copilot Studioの自律型エージェント作成機能は2024年11月にパブリックプレビューが開始する予定だ。自立型AIエージェントを使うと、ビジネスプロセスを効率よく自動化できる。Dynamics 365に追加される自律型エージェントは販売、サービス、財務、サプライチェーンなどのビジネスチームのパフォーマンスを向上させるために設計されている。
New autonomous agents scale your team like never before - The Official Microsoft Blog(出典:Microsoft CorporationのWebサイト)
マッキンゼーも既に活用中 Copilot Studioの自律型エージェントとは
Copilot Studioの自律型エージェント作成機能は、ユーザーがCopilotに接続するためのエージェントを簡単に作成して管理できる。エージェントを使用することでビジネスプロセスを自動化し、チームや個人の代わりにタスクを実行、調整できる。
この機能はグラフデータベース「Microsoft 365 Graph」やデータレイクサービス「Dataverse」などの豊富なデータソースを活用しており、ITヘルプデスクの対応や従業員のオンボーディングプロセスの支援など、幅広いビジネスシナリオに対応する。すでにClifford Chance、McKinsey & Company、Pets at Home、Thomson Reutersといった企業がこの機能を活用しており、コスト削減や業務効率化を達成している。
MicrosoftはDynamics 365に10種類の自律型エージェントを新たに導入することも伝えている。これらのエージェントは販売、サービス、財務、サプライチェーンなどのビジネスチームのパフォーマンスを向上させるために設計されている。また、今後1年以内にさらに多くのエージェントを作成するとしており、「利用企業が競争優位性を確保できるよう支援する」とMicrosoftは説明している。
Dynamics 365に新しく導入される主なエージェントは次の通りだ。
- Sales Qualification Agent(営業管理エージェント): リードの調査や営業案件の優先順位付け、顧客対応をサポートすることで営業担当者が商談に集中できるよう支援する
- Supplier Communications Agent(サプライヤーコミュニケーションエージェント): サプライヤーのパフォーマンスを自律的に追跡することでサプライチェーンの効率化やコストのかかる中断を最小限に抑える。これにより調達チームは時間のかかる手動の監視と問題解決から解放される
- Customer IntentおよびCustomer Knowledge Management Agents(カスタマーインテントおよびカスタマーナレッジマネジメントエージェント): この2つのエージェントはカスタマーケアチーム向けのエージェントで、顧客の問題を解決する方法を学び、ベストプラクティスをカスタマーケアチーム全体に広めるためのナレッジベースの記事を自律的に追加する
MicrosoftはAIを活用したこれらの新しいエージェントを活用することで企業の投資収益率(ROI)を最大化し、未来の競争優位性をもたらす、と説明する。
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