KADOKAWAが構想する「データファブリック型、インタークラウド型」データ基盤とは:技術トレンド
KADOKAWAグループが「次期データ基盤」構想を披露した。5億行を超えるデータを誰もが使いこなせる「データファブリック型、インタークラウド型」のデータ基盤とはいったいどんなものだろうか。
KADOKAWAグループが、データ基盤の現状と将来の計画をSnowflakeと共同で開催した社内向けのウェビナー「KADOKAWA SNOW CAMP」で示した。2024年10月29日にSnowflakeが発表した。KADOKAWAは「データファブリック型の仮想的なデータ統合」や「インタークラウド型の構成」など、4つの主要なコンセプトを基にしたデータ基盤を整備する計画だ。
「データファブリック型、インタークラウド型」のデータ基盤とは
ウェビナーの中でKADOKAWAの塚本 圭一郎氏(Connected Chief Data Officer、CDO)は「KADOKAWAグループにおけるデータ基盤の将来展望」と題し、KADOKAWAが2028年3月期を目処としたデータ基盤の中期整備計画についての現時点の方針を同イベントで発表した。
「データファブリック型の仮想的なデータ統合」「主要クラウドから独立したインタークラウド型の構成」「柔軟に機能を追加・変更可能なコンポーザブル型の構成」と4つの主要なコンセプトを掲げ、これらコンセプトのもとデータ基盤を整備すると説明した。
また同氏はSnowflakeを導入した理由としてインタークラウド型およびコンポーザブル型のデータ基盤構築が可能であることを挙げており、次のように述べている。
予算管理がしやすい従量課金モデルで、国内の大手IT企業でSnowflakeの導入事例が増えている。コミュニケーションがしやすく、情報も入手しやすいと考えている。
5億行のデータソースであってもTableauで分析可能に
同デジタル戦略局の本田宗行氏(グループデータマネジメント部 データ調達課課長)は「Snowflake × Tableauで実現するデータソース5億行の大規模ダッシュボード」と題して、同グループで活用されているBIツール「Tableau」(タブロー)を使った環境づくりについて発表した。
KADOKAWAグループではTableauを数千人規模で活用するが、本田氏によると、これまでは5億レコードを超えるとデータの抽出すら困難になることが課題だった。
この問題を解決するために同氏は、これからのアプローチとして「Snowflakeの計算処理の速さを最大限生かす」ことを掲げている。1日1回クエリを投げ、全ての対象テーブルをSnowflakeからTableauに転送する旧方式から、ユーザーがアクセスする都度、クエリを投げてその時に必要なデータだけを取得する新方式へと移行する予定だ、
同氏は新方式の方が大規模データに強いと述べ、参加者に対して次のように呼びかけている。
Tableauを通じて間接的にSnowflakeを使っているユーザーが多数いる。TableauはSnowflakeと組み合わせることで何倍にも強力なツールとなる。われわれは各機能に特化したさまざまなツールを導入しているので、ツールの強みと弱みを理解し、どのように自分の案件に上手く組み合わせられるか、そういう力が大切だ。
SNOW CAMPはSnowflakeが、顧客の社内ユーザーやグループ企業向けに開催するイベントだ。事例発表やワークショップを通じてSnowflakeの価値や活用方法、技術的な利点をユーザーと共有し、社内やグループ企業のデータ利活用を促進させることを目的にしている。
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