日立ヴァンタラがストレージ製品群のハイブリッドクラウド機能を強化：技術トレンド

日立ヴァンタラが、ストレージ製品群においてハイブリッドクラウド機能を強化。ハイブリッド構成を横断したデータ管理や信頼性の高いデータ運用に寄与する内容だ。

[後藤大地，有限会社オングス]

　日立製作所グループの日立ヴァンタラがデータプラットフォーム「Hitachi Virtual Storage Platform One」（以下、VSP One）において、クラウドとの連携機能を発表した。ハイブリッドクラウド型のデータ基盤としての機能を強化する。

　ミッドレンジストレージ製品「VSP One 2U Block Appliance」およびソフトウェアデファインドストレージ製品「VSP One SDS Cloud」において、クラウドへのリモートコピー機能を2024年11月13日から提供する。オンプレミスからクラウドへのデータ連携を容易にし、耐障害性や業務継続性を高めるためのクラウドストレージの可用性を向上させた。設計・構築サービスを提供し、企業データの利活用によるビジネス価値向上を支援する。

日立ヴァンタラは、ストレージを用いたデータ連携機能の拡張により、堅ろうでシームレスなハイブリッドクラウドを実現 [日立ヴァンタラ]：2024年11月13日（出典：日立製作所のWebサイト）

日立ヴァンタラが提供するVSP One、クラウドへのリモートコピー機能を追加

　今回の機能強化では、VSP One 2U Block ApplianceとVSP One SDS Cloudにおいて、クラウドへの非同期リモートコピー機能に新たに「高信頼なリモートコピー」機能が加わる。この機能により、データの所在を意識せず、オンプレミスの最新データとクラウドの先進サービスを安全に活用できるようになる。またクラウドストレージの可用性強化およびハイブリッドクラウド間の容易なデータ連携を支援する設計・構築サービスも併せて提供している。

　VSP Oneの主な強化内容は次の通りだ。

ミッドレンジストレージにおけるクラウド連携機能を強化

　日立のストレージ製品が持つ信頼性の高いデータレプリケーション技術「Hitachi Universal Replicator」を活用し、オンプレミスからクラウドへのデータ連携をスムーズに実現する非同期リモートコピー機能を提供する。

　この機能強化により、オンプレミスのストレージに格納されたデータをクラウドに安全にバックアップできる。ディザスタリカバリ（災害復旧）やセキュリティ対策に役立つ。

SDSの可用性向上　耐障害性要件の厳しい環境に対応

　VSP One SDS Cloudにおいて、新たにマルチアベイラビリティゾーンに対応する。この機能強化により、広域で障害が発生した場合の対応が可能となり、業務継続や迅速な復旧などに対する信頼性を高めるられる。

ハイブリッドクラウド間のデータ連携を支援する設計・構築サービス

　「Hitachi Remote Copy設計＆構築サービス forハイブリッドクラウドストレージ」を提供する。同サービスではさまざまなユースケースに対応し、顧客の要件に合わせた最適なハイブリッドクラウド環境を構築できるという。

　VSP Oneはオンプレミスとクラウド間のデータを一元的に管理するデータプラットフォームで、日立ヴァンタラが提供するミッドレンジストレージVSP One 2U Block ApplianceやVSP One SDS Cloudなどで構成される。クラウドとオンプレミスの両環境を統合し、企業がデータの一貫性や可用性を維持しながら効率的にデータ利用が可能だ。

　日立ヴァンタラは今回のデータ管理の強化により、安全でサステナブルなハイブリッドクラウドソリューションを提供し、企業のビジネス価値の向上を目指していくとしている。