AWSが「金融リファレンスアーキテクチャ日本版」v1.5をリリース:技術トレンド
Amazon Web Servicesは「金融リファレンスアーキテクチャ日本版」v1.5を発表した。「FISC安全対策基準・解説書(第12版)」に対応した他、メインフレーム連携やAWS Outposts活用を含む新たなアーキテクチャーが追加されている。
Amazon Web Servicesは2024年11月10日、「金融リファレンスアーキテクチャ日本版」v1.5をリリースした。データレプリケーションや非同期メッセージング、ファイル転送の3つのアーキテクチャーが含まれ、金融機関がAIや機械学習を含むデータ活用を加速できるよう支援する。またAWS Outpostsを活用したデータレジデンシーや低レイテンシーアクセスに関するアーキテクチャーや「AWS Well-Architectedフレームワーク FSI Lens for FISC」にも更新が加えられている。
メインフレーム連携、ファイル転送、Outpostsの利用も想定
金融リファレンスアーキテクチャ日本版」v1.5の主な変更点は次の通りだ。
新ワークロードメインフレーム連携アーキテクチャーの提供
金融機関が使用するメインフレームシステムとAWS環境を連携できるよう、新たに「データレプリケーション」「非同期メッセージング」「ファイル転送」の3つのアーキテクチャーが用意された。
データレプリケーションによりメインフレーム上のデータをAWSに複製し、AIなどの機械学習の活用が可能になる。また、非同期メッセージング機能により、APIを通じてアプリケーション間で直接同期的にデータを授受できる。ファイル転送機能はバックアップやアーカイブにクラウドを活用する際に役立つものだ。
新ワークロードハイブリッド(AWS Outposts) アーキテクチャー の提供
「AWS Outposts」を使ったアーキテクチャーとして、「メインフレーム周辺システム」「データレジデンシーの実現」「低レイテンシーアクセス」がが用意された。
オンプレミスで稼働するメインフレーム周辺システムにAWS Outpostsを使うことで、メインフレームをはじめとするオンプレミスのデータを効率よく活用できるようになる。
また特定のデータセンター内でデータを保持する「データレジデンシー」を実現することで、プライバシーとセキュリティの確保を強化する。さらにデータ処理をOutpostsで賄う構成をとることで、オンプレミスのデータベースで低レイテンシーなデータアクセスを実現する環境も整ええられた。
FISC安全対策基準・解説書(第12版)対応のAWS Well-Architectedフレームワーク
金融業界向けのベストプラクティス集である「AWS Well-Architectedフレームワーク FSI Lens for FISC」にも更新が加えられた。
「FISC安全対策基準・解説書(第12版)」に沿ったベストプラクティスが追加され、各実務基準に参照すべきAWSのフレームワークの一覧表が最新化されている。
金融リファレンスアーキテクチャ日本版 v1.5はGitHubで公開されており、パブリックリポジトリから誰でもアクセス可能だ。ユーザーはリポジトリーをクローンしてローカル環境に取り込み、自社のニーズに合わせて活用できる。
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