AWS専用のDX&モダナイズ支援サービス クラウドでも構築・運用に注力するKyndryl:技術トレンド
Kyndrylは日本市場向けのAWS対応プラットフォーム「Kyndryl Developer Services」を発表した。開発者が迅速かつ安全にAWS環境を活用できるよう設計されており、DXやITモダナイゼーションを促進する。
KyndrylがAmazon Web Services(AWS)との戦略的業務提携を強化する。
2024年11月6日、Kyndrylは日本市場に向けて「Amazon Web Services」(AWS)環境の構築・運用を支援するプラットフォーム「Kyndryl Developer Services」を発表した。このサービスはデジタルトランスフォーメーション(DX)やITモダナイゼーションの支援を目的としたもので、迅速かつ安全なAWS利用を実現するとしている。
業界別のテンプレートを用意し、ITインフラの知識がない開発者であってもポータルサイトから簡単にAWSのリソースを調達できるという。マネージドサービスではセキュリティ対策をKyndrylが支援する。
ミッションクリティカル系のクラウドシフトとアジリティ強化を「包括的にサポート」 その中身は
クラウドの利用が進む中、ITインフラに求められる俊敏性と柔軟性がますます重要視されているが、同時に高度なセキュリティや可用性の確保が重要な課題となっている。
こうした課題に対応するためにKyndryl Developer Servicesは「クラウド技術に対する包括的なサポート」を提供するとしており、インフラスキルを持たない開発者でもクラウド環境の構築ができるよう支援するという。
Kyndryl Developer Servicesの主な特徴は次の通りだ。
・DevOpsポータルの提供: 開発者はポータル上で必要な要件を選択するだけでクラウド環境を構築できる。このポータルにより開発者がITインフラの深い知識を持たなくてもアプリ開発環境やITインフラの自動構築が可能となり、開発業務に集中できる。また情報の集約によって業務効率が向上し、運用者の認知負荷を軽減できる
・設計済みの構成テンプレートの提供: Kyndrylが国内およびグローバルで培った知見やスキルを生かして開発された高品質の標準テンプレートを利用できる。AWSが提供する金融リファレンスアーキテクチャー日本版に基づいて設計されているため、金融業界が求めるセキュリティと可用性に関するベストプラクティスを利用した高い安全性を確保している。ITインフラの標準化と効率化が促進され、今後はさらなる業界ニーズに応じたテンプレートの追加も予定されている
・マネージドサービス: Kyndrylのエンジニアが最新技術やセキュリティに関する支援を行い、DevOpsポータルやテンプレートの利用をサポートする
Kyndrylは2023年11月にAWSと戦略的協業契約(SCA:Strategic Collaboration Agreement)を締結しており、その取り組みの一環として、共同でメインフレームなどのミッションクリティカル系システムを含むエンタープライズシステムのモダナイズ、AI対応支援、ユースケース創出を進めてきた。Kyndrylはシステム運用の経験を生かしつつ、AWSが持つクラウドの知見を獲得し、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境における開発・運用支援を強化してきた。
今回発表されたKyndryl Developer Servicesを利用すれば、企業は最適なコストでAWSのITリソースを活用しながら、Kyndrylによる問い合わせ対応や運用支援などの業務サポートサービスを受けられるという。
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