生成AI導入で結局効果はあった? DataikuとDatabricks調査
Dataiku Japanは生成AIのビジネス戦略への影響を調査した最新レポートを発表した。生成AIへの投資でどの程度の企業がプラスのリターンを得られたのか。
Dataiku Japanは2024年12月9日、生成AIが企業のビジネス戦略に与える影響を探るための最新の市場調査レポートを発表した。調査はDatabricksと共同で2024年5月に世界のシニアAIプロフェッショナル400人を対象に実施し、生成AIの利用状況や投資戦略、運用課題などの最新動向が明らかにされた。
生成AIへの投資からリターンは得られたのか
調査によるとシニアAIプロフェッショナルの65%が生成AIプロジェクトへの投資からプラスのリターンを得たと回答しており、業界全体で生成AIへの期待が高まっている。また90%の企業リーダーが生成AIに投資していることが判明し、そのうち33%が生成AIプロジェクト専用の予算を設けていることが分かった。
DataikuのGlobal Field CDOであるコナー・ジェンセン氏は次のように述べている。
「企業の3分の1以上が生成AI専用の予算を設けており、この技術をいかに早く導入し、投資からの大きなリターンを実現しているかが明らかになっています。われわれの調査では、AIリーダーは、ビジネス成果を改善するだけでなく加速するために、組織全体でアナリティクスとAIを適用する領域について幅広く考え始めていることが明らかになりました」
その他の主な調査結果は次の通りだ。
- AIに対する懸念の減少: AIへの極端な懸念が10%から4%に減少し、業界ではより冷静な見方が広がっている
- 経営幹部の理解向上: AIリーダーの半数以上(56%)は経営幹部がAIのリスクとメリットをよりよく理解していると認識している
- 生成AIの障壁: 生成AIへの期待は高まる一方で質の高いデータの不足(58%)など、基本的な障壁が依然として存在している
- 生成AI特有の課題: 生成AIには必要なリソース不足(44%)、従業員の知識不足(28%)、ITおよびポリシーによる制約(22%)といった特有の課題があり、複雑化している
調査ではさらに企業が大規模言語モデル(LLM)の多様性を活用し、競争優位性を高めていることを示している。回答者の85%がLLMサービスを利用または模索しており、56%が自社インフラにオープンソースLLMを導入または実験中であると報告している。またAIリーダーの半数以上(65%)はマルチモーダル、ビデオ、画像などの他の生成AIモデルの試用にも力を入れており、生成AIの応用範囲が広がっている。
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