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VMwareがシーメンスを提訴 ライセンス体系変更をめぐるリスクとはCIO Dive

VMwareは「購入していない製品に対するサポートサービスを要求した」と主張してシーメンスを訴えた。サブスクリプション契約に移行するサービスが増える中でユーザー企業が抱えるリスクとは。

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CIO Dive

 VMwareが、ソフトウェアライセンスの条件に違反したとして(注1)、電機メーカーのSiemensおよびその関連会社に対して法的措置を取り、2025年3月21日(現地時間、以下同)に米国デラウェア州連邦地方裁判所に著作権侵害の訴状を提出した。

発覚した多額の未払い金

 この訴訟は、Siemensが2024年9月にVMwareの保守およびサポートサービスの1年間の更新を求めた際に発生した紛争に端を発している。VMwareは「Siemensの申請には、ライセンスを一度も購入していないVMware製品のコピーが数千件含まれていた」と訴状で述べている。

 訴状によると、2023年11月に610億ドルでBroadcomに買収されたVMwareは(注2)、Siemensに対し、次の2点を求めている。

  • ライセンスのない製品の継続使用を差し止める仮処分
  • 著作権侵害に起因する損害賠償および利益の返還

 今回の訴訟は、企業とITベンダーという一見するとビジネスライクな関係に潜む緊張や、ソフトウェアライセンスの制約がもたらす潜在的リスクを浮き彫りにしている。

 調査企業であるForresterは2025年4月1日のブログ投稿で「テクノロジーベンダーのライセンスに違反した企業は巨額の請求リスクに直面する」と述べた(注3)(注4)。「適切に管理されていないソフトウェアライセンスや資産が、当事者双方に多大なコストを強いる可能性があることを改めて強く示す事例だ。その結果、両社は弁護士費用や訴訟費用として何百万ドルもの負担を強いられることになる」(Forrester)

 ソフトウェアの監査と、利用状況に基づいた差額を精算するプロセス「true ups」によって数百万ドル規模の未払金が発覚することがある。IT資産管理サービスを提供するFlexeraの調査によると、ベンダー監査の結果、1000万ドル以上の支払い義務が発生した企業の数は、2024年に2023年比で倍増した(注5)。

 Siemensは正式な監査を受けていなかった。同社が2024年9月に提出したサポートサービスを更新するための申請において、VMware製品の使用状況を自主的に報告していた。訴状によると、その後、2024年10月の文書でVMware側の評価により近付ける形で報告内容が修正されたものの、Siemensは独立監査の実施に抵抗したという。

 両社は、2025年4月3日に「CIO Dive」に送付した電子メールで今回の訴訟に関するコメントを拒否した。

 ITベンダーによる監査は一般的な慣行だ。ソフトウェアベンダーのFlexeraが実施した2024年の調査によると、過去3年間にMicrosoftによる監査を少なくとも1回は受けた組織は全体の半数に上る。Flexeraの報告書では、頻繁に監査を実施するベンダーとしてIBMやOracle、SAPが挙げられている。

 Forresterは、次のように述べた。「true upsは、ベンダーにとって交渉手段となる場合が多い。ソフトウェア監査の要請から始まり、結果としてライセンスのないソフトウェアが発見された場合、企業はその使用を継続するために対価を支払うかどうか、使用を中止するかどうかの判断を迫られる」

 SaaSがバンドルサービスとして従量課金モデルで提供されるケースが増えるにつれて(注6)、ITベンダー管理のプロセスはより複雑になっている。

 Broadcomは買収直後にVMware製品の永続ライセンスを廃止し、広範な仮想化ソフトウェア製品群を4つのバンドルに集約した。それによって一部の顧客は大幅なコスト増に困惑した(注7)。通信企業であるAT&Tは差止命令とサポートサービスの延長を求めて2024年にBroadcomを相手取った訴訟を起こしたが、その後和解が成立した(注8)。

 Forresterは、次のように述べる。「ライセンスの変更や製品バンドルの変更、インフラの大規模なパラダイムシフトは、企業が実際に支払った金額と本来支払うべきだった金額との間にギャップを生じさせる可能性がある」

 裁判資料によると、当初Siemensは、ライセンスおよびサービス契約に基づいて2012年にVMwareを購入した。その契約は2021年に3年間延長されたという。

 VMwareは、「Siemensが当初のライセンス契約の条件に違反した」と主張したが、後日補償を請求する権利を留保した上で、条件付きでサポートサービスの提供に応じた。

 VMwareは訴状で次のように述べた。「ライセンス契約にはVMwareのソフトウェア製品や、それらを起動・運用するために必要なライセンスキーのダウンロード、複製、配布、展開、使用についてSiemensが責任を負うことが明確に定められている」

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