JALがレガシーシステムをモダナイズ 業種特化型ERPを選んだ理由は?
JALはIFSと協業し、老朽化した整備管理システムを刷新するプロジェクトを始動した。AIやクラウドを活用し、業務効率や品質管理の向上を基に成長を目指す。
IFSジャパン(以下、IFS)は2025年6月2日、日本航空(以下、JAL)とともに航空機整備管理システムの刷新を目的とした「IFS Cloud for Aviation Maintenance」の導入プロジェクトを開始したと発表した。
JALは導入から15年以上が経過した整備管理システムを使用しており、業務効率や品質管理のさらなる向上を見据え、今回のプロジェクトを始めた。
業種特化型ERPを選んだ理由
導入対象となるIFS Cloud for Aviation Maintenanceは、航空機やエンジン、部品の整備管理に加え、サプライチェーンや在庫管理、財務、プロジェクト管理などのコーポレート機能を統合して提供するクラウドのプラットフォームで、整備業務の効率化や可用性の向上を支援する機能を備える。
JALは従来のオンプレミスのシステムからクラウドのサービスへ移行することで、継続的な機能拡張や将来的な業務ニーズへの柔軟な対応が可能になるとしている。
プロジェクトにはIFSの航空・防衛事業部に所属する航空機整備の専門家が参加し、日本においてJALの整備部門およびIT部門と連携して業務適合性の詳細な評価をする予定だ。
IFSのスコット・ヘルマー氏(航空・防衛事業部プレジデント)は次のように述べている。
「IFS Cloud for Aviation Maintenanceは、予知保全からリアルタイム分析、ワークフローの自動化に至るまで、JALさまに業務の合理化、パフォーマンスの最適化、競争の激化するダイナミックな業界における将来の成長に向けた拡張に必要なツールを提供します」
IFSは、製造業、サービス業、インフラ業界を対象とした産業用AIおよびエンタープライズソフトウェアのグローバルプロバイダーとして知られ、ERPやEAM、SCMなど多岐にわたる機能を一元的に提供している。
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