VMware Cloud FoundationにNVIDIAのAI技術が統合 プライベートクラウドで高度なAIワークロードを実行:AIニュースピックアップ
Broadcomは「VMware Cloud Foundation」にNVIDIAのAI技術を統合すると発表した。「Blackwell GPU」や高速ネットワーク対応により、生成AIなど多様なAIワークロードを既存環境で効率的に展開できる基盤を整備する。
Broadcomは2025年8月26日(現地時間)、米ラスベガスで開かれた「VMware Explore 2025」において、同社の「VMware Cloud Foundation」(以下、VCF)にNVIDIAのAI技術を統合する取り組みを発表した。企業は最新のAIサーバ上で次世代AIモデルを構築、展開、拡張できるようになり、VCFの実績ある運用基盤でAIを活用する環境が整備される。
AI時代のデータセンター基盤を変革するBroadcomとNVIDIAの協業
生成AI、エージェント型AI、フィジカルAI(物理AI)といった新しい応用領域は、データセンターの設計そのものに大きな変化をもたらしており、従来を超える性能や柔軟性を持つインフラが求められている。BroadcomとNVIDIAは長年にわたって協業しており、今回はNVIDIAの最新GPUアーキテクチャ「Blackwell」を含む製品群やネットワーキング技術がVCFに統合される。VCFの利用者は運用効率を確保しながら、NVIDIAが持つAI技術を利用できるようになる。両社が共同で進める「VMware Private AI Foundation with NVIDIA」の機能もこれにより強化される。
今回の統合に含まれる主な要素は次の通りだ。
- NVIDIA BlackwellアーキテクチャGPUの統合: 大規模なAI学習や推論、HPCに最適化した新世代GPU「NVIDIA RTX PRO 6000 Server Edition GPU」に対応。VDIとAIワークロードを効率的に共存させられる。今後、「NVIDIA Blackwell B200 GPU」にも対応する予定
- 高速ネットワーキング対応: 「DirectPath I/O」を介して「NVIDIA ConnectX-7 NIC」や「NVIDIA BlueField-3 400G DPU」を利用できるようになった。これにより「NVIDIA GPUDirect RDMA」や「GPUDirect Storage」を使った高速な分散学習やデータ転送が可能になる。生成AIモデル作成のような負荷の高い処理で有効だ
- VCFの既存機能維持: 最新の「NVIDIA HGX」サーバを導入しても「VMware vMotion」や「vSphere HA」「vSphere DRS」「vSphere Live Patch」といったVCFの仮想化機能や運用ワークフローを引き続き利用できる。AIや機械学習(ML)アプリケーションと従来型の業務アプリケーションを同一環境で安定的に稼働させやすくなる
Broadcom VMware Cloud Foundation部門プロダクト担当バイスプレジデントのポール・ターナー氏は「顧客が信頼するエンタープライズ基盤を維持しつつAI分野で自由に革新できることが重要だ」と述べた。NVIDIAとの協業によって既存アプリケーションとAIワークロードを高い性能と効率性を保ちつつ並行稼働できる点を強調する。
NVIDIAエンタープライズAI担当バイスプレジデントのジャスティン・ボイターノ氏は「生成AIの普及が新しい加速計算基盤を必要としている」と説明した。Blackwell GPUとNVIDIAのネットワーキング技術を組み合わせることで、企業は既存のプライベートクラウド環境の中で高度なAIアプリケーションを展開でき、VCFとの連携によってNVIDIAプラットフォームの能力を余すところなく活用できるという。
今回の発表は、企業がAIを本格的に導入する際の基盤として、既存のプライベートクラウド環境に先端技術を組み込む道筋を示したものといえる。
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