Microsoftの複数サービスにおける大規模障害 DNS構成変更が原因か:セキュリティニュースアラート
2025年10月29〜30日にかけて、Microsoft AzureやMicrosoft 365で世界的なアクセス障害が発生した。構成変更が原因とされており、企業や個人が利用する主要サービスが停止したとされている。
2025年10月29日(協定世界時16時頃)から30日にかけて、「Microsoft Azure」(以下、Azure)や「Microsoft 365」で大規模なアクセス障害が発生した。多くのユーザーが企業や個人用の主要サービスに接続できなくなり、世界各地の利用者に影響が及んだ。
障害はAzureとMicrosoft 365スイートの双方に広がり、Exchange管理センターや「Microsoft Intune」「Microsoft Azure Portal」、Microsoft 365管理センターなどの主要機能へのアクセスが困難となった。障害は北米や欧州、アジアを含む複数の地域に及び、業種を問わず広範囲で影響が確認されている。
Microsoftの複数サービスにおける障害 DNS構成変更が原因か
Microsoft 365公式アカウントは、日本時間2025年10月30日未明から断続的に情報を更新している。最初の投稿では「Microsoft 365サービスおよび管理センターにアクセスできないとの報告を調査している」とし、その後、影響を受けたトラフィックを「正常なインフラへ迂回させる短期的な対応を進めている」と説明した。
続いて内部インフラの一部で接続性の問題が発生していることを特定したと報告し、該当システムを復旧させるための作業を進めた。Microsoftは「最近適用されているAzureインフラの構成変更が影響の原因である可能性が高い」と明らかにした。また、問題の変更をブロックし、影響を受けた構成を以前の状態に戻す作業を開始したと報告している。
Azure Support公式アカウントも同日、「複数のAzureサービスに影響を及ぼす問題を調査している」と発表した。Azureステータスページでは随時更新され、アクセスに支障が出る場合はPowerShellやCLIなどの代替手段を利用するよう案内が出されている。
障害の影響は企業システムだけでなく「Xbox Live」「Minecraft」「Microsoft Outlookアドイン」「Microsoft Copilot」などの一般用サービスにも及んだとみられている。DNSレベルでの問題により、ユーザー認証やクラウド基盤へのアクセスが妨げられたことが原因とされている。医療機関や鉄道システムの運行情報サービス、その他の業種でも一時的なログイン障害が報告されている。
Microsoftは復旧の過程で「影響を受けたトラフィックを健全な経路に振り分け、障害部分を切り離す」と説明し、構成変更を原因として特定した上で、以前の正常な設定を再適用している。エンジニアリングチームは同時にフェイルオーバーオプションの評価やネットワーク監視を実施し、システムの健全性を確認した。
最終報告では「構成変更の影響は解消され、サービスは正常に稼働している」とした上で、今後もしばらく監視を続けると発表した。現時点で外部からの攻撃やデータ流出の兆候は確認されていない。DNS構成の変更が関係した可能性も指摘されており、今後、同様の構成変更における監視および検証体制を強化するとみられる。
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