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ITエンジニアの96%が生成AIを日常利用 一番使われているサービスと用途は?【調査】AIニュースピックアップ

ITエンジニアの96%が生成AIを日常利用し、コード補完(61.7%)などに活用している。生成AIを活用する具体的な傾向と、主要サービスのシェア争い、そして有料プランを利用する背景、業務効率化や品質向上の効果とは。

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 ITエンジニアの業務に生成AIの利用が定着している。調査によると、96.0%が月単位で生成AIを活用しており、78.1%は毎日利用していることが判明した。

 エンジニアが生成AIを利用する具体的な傾向と、主要サービスのシェア争い、そして有料プランを利用する背景、業務効率化や品質向上の効果について紹介する。

一番使われているAIサービスと用途

 フリーランスエンジニア、ITフリーランスの案件検索サイト「フリーランスボード」を運営しているINSTANTROOMは2025年11月10日、ITエンジニア375人を対象に実施した「生成AIの活用実態調査」の結果を公開した。生成AIの使用頻度や利用サービス、課金状況、業務効率化や成果物の品質変化、今後の利用意向などが幅広く分析されている。

 78.1%のITエンジニアが生成AIを毎日使用しており、業務の基盤ツールとして広く定着している実態が示されている。月単位でみると96.0%が何らかの形で活用しており、生成AIを利用していない層は4.0%にとどまった。生成AIが一過的なトレンドではなく、業務効率化に不可欠な存在になっている点が明らかにされている。

 生成AIの主な用途は「情報の要約・調査」が75.0%で多く、「コード生成・補完」が61.7%、「アイデア出し・ブレーンストーミング」が58.3%と続いた。「設計書・ドキュメント作成」(50.6%)、「メール・資料作成」(47.8%)など文章作成にも広く利用されており、情報整理から開発支援まで幅広い業務で使われていることが分かる。経験年数による利用傾向に大きな差はみられず、生成AIは初級者から上級者まで幅広く浸透している。

 利用しているAIサービスの内訳では「ChatGPT」が351人(97.5%)と突出しており、「Gemini」(62.5%)、「Microsoft 365 Copilot」(42.5%)、「Claude」(35.3%)が続く。「Perplexity」や「Grok」など複数のサービスを併用するユーザーも一定数存在する。全回答者がいずれかのAIサービスを利用しており、エンジニア業務におけるAIの普及率は極めて高いことが判明している。


ChatGPTの資料者が突出して多い(提供:フリーランスボード)

 他方でAIツールやAIエディタの利用は限定的で、「使用していない」との回答が過半数を占めた。AIツールでは「GitHub Copilot」が26.1%、「NotebookLM」が24.4%、「Notion AI」が19.2%だった。AIエディタでは「Cursor」が25.6%と最多で、「JetBrains AI Assistant」「Devin AI」などが続いた。導入コストや環境整備の負担が高いため、今後の普及拡大が課題とされている。

 AIブラウザについても同様で「使用していない」が49.2%と半数ほどを占め、専門ツールの中でも普及率が低いことが判明している。「Microsoft Edge(Copilot Mode)」が34.4%と高く、「ChatGPT Atlas」が14.4%、「Perplexity Comet」が11.4%となった。こちらは比較的新しいカテゴリーのため、認知度や利便性の向上が課題とされている。

 課金状況では57.8%が有料プランを利用しており、月額2000〜4000円の価格帯が最多(28.9%)だった。月額8000円以上の高額プランを利用している層も18.9%存在する。課金していない層でも93%以上が業務効率化を実感しており、生成AIの効果は支払い額よりも使い方やプロンプトの工夫によって左右される傾向が見られた。

 生成AIによる業務効率化については、88.9%のエンジニアが「効率化できた」「やや効率化できた」と肯定的な回答を示している。成果物の品質についても80.5%が向上を実感しており、「品質が低下した」との回答はゼロだった。この結果から生成AIが単なる作業支援ではなく成果物の質的向上にも寄与していることが確認されている。

 今後の利用意向については「より活用していきたい」が85.8%、「今のまま維持したい」が10.4%で、96.2%が前向きな姿勢を示している。「活用を控えたい」としたのは2.7%にとどまった。活用を続ける理由としては「調査・情報収集の時間が短縮された」(73.7%)、「アイデア出しや設計がスムーズになった」(63.3%)、「学習やキャッチアップが速くなった」(60.5%)が挙げられている。生成AIは情報探索や学習支援の分野でも実用的な効果を上げている。

 生成AIを活用していない層からは「使い方が分からない」「費用負担が大きい」といった意見があり、技術習熟度やコスト面が利用拡大の障壁になっている現状も示されている。「確認や修正の手間が増える」「社内ルールで制限されている」といった理由で活用を控える層も存在した。

 自由回答において、生成AIを通じて未経験分野への挑戦が可能になった事例や、報告書の品質向上を実感する声が寄せられている。半面、プロンプト精度への不満やツール間の干渉など実務上の課題も報告されている。出力の誤りや複数言語の混在など、現状では人間による確認が欠かせない状況にあることが示されている。

 INSTANTROOMの調査結果は、生成AIがITエンジニアの日常業務に深く組み込まれている現状を明らかにしている。多くのエンジニアが効果を認めているが、ツール選択やコスト、精度向上といった課題も残る。今後は、専門ツールの導入支援や利用教育の整備が進むことで、生成AIの活用範囲が一段と広がる可能性がある。

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