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埋もれた顧客の「声」をどう生かす? IVRyが通話、メールの非構造データをAIで自動解析AIニュースピックアップ

IVRyは通話、電子メールなどの非構造データを統合解析する「IVRy Data Hub」を提供開始した。AIによるリスク検知や業務標準化、再購入予測などを通じ、経営判断と収益機会創出を支援する。

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 IVRyは2025年11月6日、企業が保有する通話、電子メールなどのコミュニケーションデータを統合、解析する新たなデータプラットフォーム「IVRy Data Hub」の提供を開始した。同社の対話型音声AI SaaS「アイブリー」は既に全国4万件以上のアカウントで導入されており、今回の新プラットフォームはその解析基盤を拡張する形となる。

 IVRy Data Hubは、企業活動の中で蓄積される膨大な非構造データをAIが解析し、リスクの早期検知、業務効率の向上、収益機会の拡大を実現する仕組みを備える。企業が日々発生させる通話や、電子メール、チャットなどのやりとりを一元的に収集、整理し、経営課題の把握や意思決定を支援することを目的とする。

非構造データを生かすことによる価値

 背景として、AIの発展と企業のデジタル化が進む中で、顧客との接点は多様化、高速化している。他方で、これらのデータの多くは構造化されず、業務部門で十分に活用されていない状況が続いていた。通話や電子メールに含まれる情報は、顧客満足度やオペレーション品質、企業のガバナンスにも影響を及ぼす可能性があり、こうしたデータを有効に活用する仕組みの整備が求められていた。

 特に労働力不足が深刻化する中で、属人的な対応や経験に依存する業務運営から脱却し、データに基づく合理的な判断や自動化をすることが急務となっている。IVRyはアイブリーで培った音声認識、解析技術を応用し、IVRy Data Hubを開発した。

 同プラットフォームは、「Databricks」などのデータウェアハウス(DWH)と柔軟に連携できる構造を採用し、レイクハウスプラットフォームとのデータ接続にも対応する。また誤情報を返さない独自技術「ハルシネーションゼロ」なども活用し、AI解析の信頼性向上にも取り組み、対話型AIの解析精度を高め、組織全体のデータ活用を促進するという。自然言語によるインタフェースを備え、経営指標や危機管理に関するインサイトを検索、定義、通知することも可能とされている。


アイブリーとIVRy Data Hub、外部プラットフォームのデータの流れ(出典:IVRyのプレスリリース)

 IVRyは、IVRy Data Hubの提供価値として「リスク検知と危機対応の高速化」「業務プロセスの効率化・標準化と管理工数の抜本的削減」「データに基づくエンゲージメントの最適化と収益機会の向上」を挙げている。「リスク検知と危機対応の高速化」において、AIがクレームやカスハラなどのネガティブ事象を自動で検知、分類し、重要度に応じて経営層や関係部署に即時通知する。過去事例の解析により最適な対応策を提示し、顧客対応のスピード向上を図る。

 「業務プロセスの効率化・標準化と管理工数の抜本的削減」としてAIがデータ分析や報告書作成などの手作業を代替し、オペレーション品質を統一する。優秀スタッフの対応データを基にノウハウを抽出し、教育コンテンツを自動生成する機能も備える。マネジャーによる報告業務を自動化することで、管理工数の削減も実現する。

 「データに基づくエンゲージメントの最適化と収益機会の向上」についてはAIが顧客のロイヤリティーを予測し、再購入や離脱リスクを判断する。営業活動においても、適切な接触頻度を可視化し、コール過多や不足を通知する機能を提供する。これにより、データ主導の営業運営が可能となる。

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