Rubrik Japan、2026年におけるサイバーセキュリティ分野の動向予測を公開：セキュリティニュースアラート

Rubrik Japanは2026年におけるサイバーセキュリティ分野の動向予測を公開した。AIの普及がサイバーリスク構造を変化させている状況を踏まえ、企業が取るべき方向性を示している。

[後藤大地，ITmedia]

　Rubrik Japanは2025年12月22日、2026年におけるサイバーセキュリティ分野の動向予測を公開した。

　AI活用の広がりによって攻撃手法は高度化し、被害範囲も広がっている。従来型の防御中心の施策において、データ保護や事業継続の要請を十分に満たせなくなっている。こうした背景から、CISO（最高情報セキュリティ責任者）やIT部門が注視すべき重点分野を整理し、企業が備えるべき方向性を示した。

2026年におけるサイバーセキュリティ分野の動向予測　AI活用の見直しは必須

　AIを利用したサイバー攻撃は自動化と高速化が進み、侵害の発生を前提とした備えが不可欠になっている。企業に問われるのは、被害発生後に事業をどの段階まで、どの品質で復旧できるかだ。単純な復旧時間の短縮ではなく、復旧対象となるデータの正確性と安全性を検証した上で業務再開を実現できる体制が求められる。隔離された保護領域を活用し、汚染のない状態を確認した上で復旧する考え方が中核となる。

　デジタル環境において、人ではない主体が利用する認証情報が急増している。こうした要素は管理が複雑化しやすく、侵入口として狙われやすい。調査結果において、多くの組織が今後、専門人材の確保を計画していることが示されている。データそのものを守る仕組みだけでなく、アクセスをつかさどる基盤の統制が企業全体の安全性を左右する構造へと移行している。

　業務効率化を目的に導入されたAIエージェントは、数の増加と利用範囲の拡大によって統制の難度を高めている。どの資源に接触し、どのような処理をしているかを把握できなければ、想定外の挙動を抑制できない。本番環境での運用を支えるには、可視化、統制、修正を前提とした枠組みを整備する必要がある。人材配置や運用設計の再構築も避けられない。

　複数のクラウド基盤を併用する環境において、管理の分断が復旧対応を複雑化させている。個別の仕組みに依存した運用は、障害発生時の判断を遅らせる要因となる。全体を俯瞰（ふかん）できる管理基盤を整え、共通の視点で制御することが事業継続性を高める鍵となる。特に認証管理とデータ保護を連動させた設計が重要性を増している。

　Rubrik Japanはデータや認証、ワークロードを横断的に扱う基盤を通じて、企業の耐障害性向上を支援している。AIを活用した運用において、挙動の監査や制御、修正を一体で扱う仕組みが欠かせない。将来を見据えた投資判断においては、防御と復旧を分断せず、統合的に捉える視点が企業価値を左右する要素となる。