豊富な備蓄でビジネスを守る“第三者保守”という選択肢:メモリ不足が招く、IT機器調達不全の危機
AI需要の過熱がもたらした構造的な半導体メモリ不足により、サーバなどのIT機器調達難や価格高騰が深刻化している。システム更改の遅延に頭を抱える情シスやSIerを救う一手が、メーカー保守終了後も稼働を支える「第三者保守」だ。豊富な備蓄とデータ駆動の品質管理でIT機器の「戦略的延長」を実現する、データライブの挑戦に迫る。
サーバが手に入らない! 半導体不足が変えるIT現場の常識
AIの急激な需要拡大が、IT調達に予想外の影響を及ぼしている。世界的な半導体不足に加えて、メモリメーカー各社がAIインフラ向けの広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)の製造に注力しており、サーバ向けのDDR4/DDR5メモリやフラッシュストレージの供給が極端に低下しているためだ。システム更改などでIT環境を構築しようとしても、従来の予算やスケジュールではサーバなどのハードウェアを調達できない。もちろんAI向けのサーバ機器も必要なリソースは共通のため、調達難は免れない。
従来、システム見積もりの有効期間は2カ月程度だった。ところが価格が高騰する今では、有効期間が1週間ということもあるという。発注時点での価格を保証できないからだ。もし発注できても納期は未定、納品時に価格が変動する恐れもある。最終的な仕入れコストが見積もりの3倍以上に膨らみ、プロジェクトの見直しを余儀なくされるケースも増えている。
顧客のシステム構築を請け負うSIerの痛手は特に大きい。調達コストの急騰でプロジェクトの採算が崩れる、納期が不明瞭なため案件を期日までに完了できない、などのリスクが生じている。もちろんエンドユーザー企業も、システム更改計画の延期や予算の抜本的な見直しを迫られている。
「対策として、クラウド移行を検討する動きもありますが、一筋縄ではいきません。そもそも企業システムは、セキュリティ対策や法規制への対応、既存の業務プロセスとの兼ね合いなど、理由があってオンプレミスで稼働させているものが多いためです。近年は為替変動の影響も相まってクラウドサービスの利用料が上昇傾向にあり、単純に移行を決められない経営者も多いでしょう。もし移行に着手できたとしても、完了までの期間、ハードウェアの保守をどうすべきかという問題は残ります」と、データライブの山田和人氏は指摘する。
システムをいつまで使う? ビジネス起点で考えるITライフサイクル
このようなIT機器調達の課題に多くの企業が直面しているのは、「新品への更新が難しいのであれば、既存のシステムを使い続けるしかないのか」という問いだ。しかし山田氏は、この状況を単なる困難ではなく、IT投資の在り方を見直す好機として捉えるべきだと説く。
「私たちは、『システムは定期的に、例えば5年に1回更改する』という慣習にとらわれているのではないでしょうか。本来、システムは事業運営を助けるために運用するものです。もし事業を10年間続ける計画なのであれば、そのシステムは10年間安定運用できればいいと考えるべきです。本当に5年ごとに刷新しなければならないのか。IT予算の使い方を、しっかり考え直すべき時期に来たのだと思います」
5年ごとに発生する数千万〜数億円の更改コストを1回スキップできれば、そのぶんの予算をAI活用やセキュリティ強化など、注力すべき投資に振り分けられる。より戦略的なIT投資が可能になるのだ。
この考え方は、昨今のIT人材不足の課題も吸収できる可能性がある。SIerでは、システム更改の依頼があっても、担当できるエンジニアが不足するケースが増えているという。ならば、優先度の高いプロジェクトに集中するしかない。他のシステムを延長させられれば、余裕が生まれる。
データライブの木澤超氏は、「数年後に更改時期を迎える既存システムの延長利用を検討したいという問い合わせが増えています。将来のシステム更改やクラウド移行を見据えて、当社のサービスに注目してくださっているのです」と述べる。
重要なのは、「既存システムの利用を延長すべきかどうか」という判断を、自社の事業計画に基づいて決定できるかどうかという点だ。半導体不足という新たな有事において、選択肢を増やすことは、事業継続性の維持に関わる重要な要素となるはずだ。
豊富な備蓄でメモリ不足に対応 データドリブンな第三者保守
「第三者保守」とは、メーカーによる保守サポート終了(EOSL/EOL)後も、第三者である事業者が引き続き保守するサービスのことだ。
第三者保守サービスは多くの場合メーカーの延長保守サービスよりも安価なため、システム更改のタイミングを調整する手段としても活用されている。データライブはIT機器の中古再生・保守の専業事業者として15年を超える経験とノウハウを持っている。2026年は半導体不足も相まって、既存システムの「延長」を期待する問い合わせが急増しているという。
多数の企業やSIerがデータライブの第三者保守サービスを利用する背景には、「備蓄」部品の豊富さへの信頼がある。同社は埼玉県に約1万1000平方メートルの備蓄倉庫「KSC GRANDOCK」を構え、7万台を超えるIT機器本体や40万個を超える保守部品を保有する(2026年6月時点)。ストレージ、ネットワーク、サーバを問わず、さまざまなメーカーの機器に対応できる「国内最大規模の備蓄体制」(山田氏)を整える。冒頭の写真は、その倉庫内部だ。
「既存サーバを延長するために部品を探すケースもあるでしょう。ところが市場は流通が不安定で、欲しいときに欲しいものが手に入りません。あらかじめ確保しておかなければ、調達可能性が低下してしまうわけです。そこで私たちは、早い時期からIT機器本体や部品の調達を進めて、リソースを備蓄しているのです」(山田氏)
データライブは、単に安価なリサイクル品・リユース品を無造作に収集しているわけではない。長年の経験で蓄積した障害対応情報や機器の統計情報を分析し、故障しやすい部品や製品を優先的に確保するなど、データに基づいた戦略的な備蓄を実施している。保守対象の機器に対して、どの部品を利用すれば確実に修理でき、稼働させられるかといった保守情報も蓄積しているため、障害発生時に素早く確実な対応が可能だ。
検討段階で「既存システムの部品がそろっているかどうか、保守を延長できるかどうか」を確実に判断できるというメリットは大きい。データライブの豊富な備蓄は、将来の部品が調達できるかどうか分からない現在において、心強い味方となるだろう。
「システムを一回の対応で復旧させる」徹底したサービス品質管理
データライブの備蓄品は最新のIT機器向けだけではなく、中古再生市場でも流通が少ない旧世代の製品向けのものが多い。これは5年以上前に構築されたシステムの延長保証においては、むしろ重要な資産だ。同社はそれらを早い時期から計画的かつ安価に収集して、検査、保管している。だからこそ、信頼性の高い第三者保守サービスを安価に提供できるというわけだ。
こうした中古再生品の品質に不安を感じる読者もいることだろう。そこでデータライブは、入荷した機器・部品の全数検査と厳格なデータ管理によって品質を高める努力を続けている。HDDであれば、検査ログを継続的に取得・蓄積しており、パラメーターの状態から稼働後の寿命を予測する基準を持つ。同社を訪れたハードウェア機器メーカーの役員が、データライブが出荷したハードディスクの故障率について「新品の初期不良率を下回る」と感嘆したこともあるという。
データライブが品質管理で特に重視するのは「部品準備品質」だ。山田氏は、「保守対応が失敗する最大の原因は、適切ではない部品が手配されることにあります。ちょっとした型番の違いやファームウェアのバージョンの不整合で、正常に動作しないことが多々あります。私たちは、どの部品なら動作を保証できるかというデータを維持しており、1回の出動で確実にシステムを直すことを最重要指標と考えています」と語る。
これは、専業の第三者保守事業者として積み上げた実績と統計データの蓄積があって成り立つサービス品質であり、金融、通信・キャリア、電力といった社会インフラを担う事業者が利用する理由でもある。
多種多様な機器を備蓄しているため、データライブのエンジニアは実機を使ってスキルを獲得できる。実機で動作を検証してから実際の保守に向かうため、エンジニアの経験値は上がり、作業の失敗率は低くなる。
リユース部品の活用は、サーキュラーエコノミー(循環経済)の観点からも意義がある。廃棄予定の機器を再生して別システムの延長に役立てることに加え、本来システム更改により廃棄処分される予定であった既存システムを延長することは、リサイクル(素材として再溶解・製造すること)よりもエコな資源循環になるためだ。
データライブは「中古再生品としての利用サイクルの最大化」を事業の中核に据えており、機器の適正処分から備蓄・保守サービスまで一貫して担うことで、IT資産の価値を最大限に引き出す役割を果たしている。
未曽有の半導体不足に伴うIT機器の調達困難という状況は、自社のITライフサイクルを問い直す契機でもある。メーカーの保守期限やIT機器調達の市場動向に振り回されることなく、事業計画を基に「いつ」「何に」投資するかを自社で主導できる体制を維持することが重要だ。この不確実な時代に第三者保守という選択肢を持つことは、事業継続性を強化するための武器となるだろう。
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提供:データライブ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年7月25日








