よそのお宅の「塾代」はいくら? 年収・子供の年齢別に習い事費用をチェック 新年度の習い事選びの参考に
まもなく新学期が始まります。気持ちを新たに、習い事を始めるお子さんは多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、習い事にかかるお金のこと。学習塾だけでなく、ピアノや水泳などの教養系・スポーツ系の習い事まで、よそのお家はどのくらいお金をかけているのか、習い事別の平均費用をアンケート調査から見てみたいと思います。また、世帯の年収と習い事にかける金額の関係などもグラフで紹介します。習い事をどうするか考えるときの参考にしてみてください。
まもなく新学期が始まります。気持ちを新たに、習い事を始めるお子さんは多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、習い事にかかるお金のこと。学習塾だけでなく、ピアノや水泳などの教養系・スポーツ系の習い事まで、よそのお家はどのくらいお金をかけているのか、習い事別の平均費用をアンケート調査から見てみたいと思います。
また、世帯の年収と習い事にかける金額の関係などもグラフで紹介します。習い事をどうするか考えるときの参考にしてみてください。
石倉博子
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
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みんな何を習っている? 人気の習い事とは
バンダイが実施した「子どもの習い事に関する意識調査」から、3~6歳の未就学児と小学生の習い事のトップ10、そして男女別のトップ5を紹介します。
3~6歳の未就学児と小学生の習い事のトップ10(全体)
- 1位:水泳(41.0%)
- 2位:学習塾(27.0%)
- 3位:ピアノ(24.9%)
- 4位:英会話(22.0%)
- 5位:習字(13.9%)
- 6位:体操・新体操(10.3%)
- 7位:サッカー(9.6%)
- 8位:そろばん(7.4%)
- 9位:ダンス(5.4%)
- 10位:テニス(2.6%)
3~6歳の未就学児と小学生の習い事のトップ5(男子)
- 1位:水泳(43.1%)
- 2位:学習塾(27.4%)
- 3位:英会話(22.0%)
- 4位:サッカー(17.7%)
- 5位:体操・新体操(11.7%)
3~6歳の未就学児と小学生の習い事のトップ5(女子)
- 1位:水泳(38.9%)
- 2位:ピアノ(38.3%)
- 3位:学習塾(26.6%)
- 4位:英会話(22.0%)
- 5位:習字(17.7%)
水泳は男女ともに1位となっており、人気の高い習い事です。男女あわせた2位は学習塾ですが、女子の場合は2位にピアノがきて、学習塾は3位となっています。男女あわせた3位はピアノで、女子の人気によって押し上げられています。
4位は英会話で、男子で3位、女子で4位となっています。男女合わせた順位の5位以下は、習字、体操・新体操、サッカー、そろばんと続きます。
同調査による、3歳~小学6年生を対象とした習い事の有無の質問では、「習い事をしている」が63.4%、「習い事をしていない」が36.6%となり、6割以上がなんらかの習い事をしている結果となりました。
さらに、習い事をしている人に絞った質問では、習い事を2つ以上している子供は53.3%という結果になっています。半分以上の子供たちは習い事を掛け持ちしている傾向があるということですね。
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習い事別の平均費用はいくら?
次に、習い事にどのくらいのお金をかけているのか、同調査から習い事別の平均費用をみてみましょう。
上記の図を見てみると、学習塾が1万5362円と一番お金をかけています。それ以外は1万円以内に収まっています。
子供1人あたりの習い事にかける平均金額(月額)も見てみましょう。
割合が一番多いのが「5000円~9999円」で35.3%です。次いで、「1万円~1万4999円」が20.4%となっています。このことから3歳~小学6年生までの子供に、1カ月あたりの習い事にかける費用は5000円~1万5000円が多いといえます。
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みんなの塾代はどれくらい?
ここまでは、習い事全般で見てきましたが、ここからは学習塾に絞って見ていきましょう。文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」から、小学校から高校までの塾代を学校別(公立・私立)、学年別に表にしました。
小学校の学習塾費は低学年、中学年、高学年と上がるに従って増えていきます。これは中学、高校でも学年が上がるに従って増えるのは同じです。公立と私立の別では、私立小学校は公立小学校の3倍以上の学習塾費がかかっています。
中学校を見てみると、学年が上がるに従って学習塾費は増えていきますが、私立中学校よりも公立中学校の方が、費用がかかっています。この点を推測すると、多くの私立中学校は中高一貫であることから、高校受験の対策が必要ないことが要因としてあげられるようです。また、私立中学校は学校内での学習環境が整っていることも理由として考えられます。
高校も同様に学年が上がるに従って学習塾費が増えています。公立と私立の別では、それほど大きな違いはありません。
私立の学校を進路に選んだ場合は、小学5年、6年が年間40万円以上と費用が高くなっています。公立の学校を進路に選んだ場合は、中学3年が約39万円と最も高いです。
上記の表の金額は1年間にかかった費用であるため、月額を知りたい場合は12で割って求めてみてください。例えば、公立中学校の3年生の1カ月の塾代は約3万2488円となります。高校受験対策のために塾に支出する金額の大きさが分かります。
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年収と習い事費用の関係について
最後に、世帯年収と習い事費用の関係を見てみましょう。こちらも文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」を参照します。補助学習費(家庭内学習費、学習塾費など)とその他の学校外活動費(習い事やスポーツ、文化活動などに要した費用)の合計である「学校外活動費」を習い事費用として用いています。
世帯年収が上がるにつれ、習い事費用(学校外活動費)も増えています。公立では、年収1200万円以上の世帯の公立中学校に通う子供の習い事費用が62.1万円と突出しています。私立では、同じく年収1200万円以上の世帯の私立小学校に通う子供の習い事費用が76.2万円と高額になっています。76.2万円は月額にすると6万3500円になるので、かなりの費用を習い事にかけていることが分かります。
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習い事の整理も時には必要!
3歳から小学校までの人気の習い事トップ5は、水泳、学習塾、ピアノ、英会話、習字となっています。中でも、一番費用をかけているのが学習塾です。塾は中学、高校になってからも通うことになりますが、公立・私立の別でみると、進路が私立の場合は、私立小学校の5、6年時が一番塾代が多くかかり、公立の場合は、公立中学校の3年時が一番塾代が多くかかっています。また、習い事の費用は世帯年収が高くなるにつれて増えていく傾向があります。
これから新年度を迎えるにあたって、習い事を始めるお子さんは多くなると思います。学年が上がることで、塾の費用も上がっていく傾向があります。子供の成長とともに増えていく習い事費用に生活が圧迫されないように、教育費と生活費は切り分けて管理するとよいでしょう。
「お隣の子が〇△を始めたからうちの子も」、「いつの間にか全部の曜日が習い事で埋まってしまった」、こんなケースも耳にします。費用の面だけでなく、お子さんの適正も考えて、時には習い事を整理することも必要です。よそはよそ、うちはうちの精神で、お子さんに合った教育費のかけ方ができるとよいですね。
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