最近、スマートフォンのゲームが“リッチ”になりつつあります。「PUBG(プレイヤーズバトルグラウンズ)」などのように、3Dグラフィックスを多用したりタッチの感度をシビアに要求したりするものも少なくありません。
その流れを受けて、PC(パソコン)だけではなくスマートフォンでも“ゲーミング”機能を強化したり、ゲーミングに特化した「ゲーミングスマホ」が登場したりという動きも見られます。
そこで、この記事ではリッチなスマホゲームを楽しむためのスマホ選びで注目したいポイントと、それを踏まえたおすすめ機種を紹介します。
ゲーミング機能を強化したスマホやゲーミングスマホ(以下まとめて「ゲーミングスマホ」)は、処理を担うプロセッサ(CPUとGPU)は最新のハイエンド製品を使っていますし、メインメモリや内蔵ストレージも基本的には十分な容量を確保しています。
単純にゲームをやるなら十分なスペック……ではありますが、その快適性をさらに向上するものとして「ゲームモード」を備えているかどうかチェックしましょう。
スマホのメーカーによって「ゲームランチャー」「ゲームエンハンサー」など呼び方はさまざまですが、ゲームモードは以下のような機能を備えていることが多いです。
ゲームモードはアプリの1つ、あるいは端末の設定項目の1つとして備わっていることがほとんどですが、専用スイッチを操作して有効/無効を切り替えられる機種もあります。ゲームを本気でやるなら、ゲームモードの有無を調べてみましょう。
スマホは基本的に画面に触れて操作するものです……が、特に音楽(リズム)ゲームをプレイする場合、ディスプレイのリフレッシュレートやタッチのレスポンスも重要な要素になってきます。描画や反応のわずかなズレが、スコアの差に出てしまうからです。
リフレッシュレートは「1秒当たりの画面の書き換え回数」を示す値で、単位は「Hz(ヘルツ)」で表されます。一般的なスマホのディスプレイは60Hzに設定されていますが、一部のゲーミングスマホではより滑らかな表示を目指して90Hzや120Hzに設定されていることもあります。
画面のタッチについて、以前は「1度にいくつのタッチを認識できるか」ということがチェックポイントでしたが、現在はよほどのことがない限り10点(≒両手の全ての指)を同時認識できるセンサーが一般的なので、書かれることはあまりありません。むしろ、音楽ゲームやアクションゲームでは「1秒間に何回のタッチを認識できるか」という所がポイントで、ゲーミングスマホではこの点をアピールすることも増えてきました。
スマホでのゲームをより本気で楽しみたい場合は、可能であればディスプレイのリフレッシュレートやタッチ感度を調べてみると良いでしょう。
さまざまなスマホアプリがある中で、特にゲームアプリはスマホの全機能を駆使する傾向にあります。全機能を駆使するということは、本体の発熱も相当なものになります。
本体が発熱すると、本体を保護するためにスマホは自動的に動作速度を下げたり一部の機能を停止したりします。できるなら、どんなゲームをプレイしても動作速度が落ちない、放熱性能の高いスマホを選ぶべきです。
ゲーミングスマホの多くは通常のスマホよりも放熱性能を強化しています。中には、オプション品として「外付けクーラー(ファン)」を用意している機種もあります。高い放熱性能にクーラーを組み合わせれば、かなりヘビーなゲームでも安定した動作を期待できます。
どれくらい本気度の高いゲームをやるのかにもよりますが、ゲームをするためにスマホを選ぶなら放熱性能や外付けクーラーの有無をチェックしてみると良いでしょう。
以上3つのポイントを踏まえた上で、おすすめのゲーミングスマホを4つご紹介します。
サムスン電子のハイエンドスマホで、NTTドコモ、auと楽天モバイルから発売されています。
この機種の魅力は「Sペン」というスタイラスペンにある……のですが、ゲーミングスマホとしても優秀です。
本体内には「ベイパーチャンバー冷却システム」を備えており、本体内部の熱を外に効率良く逃がします。スマホではまだ搭載機種が限られるゲーム向け「Dolby Atmos」も利用可能で、ゲームプレイ中のサラウンドがより迫力のあるものにできます。
「ゲームランチャー」は、先述のゲームモードとしての機能はもちろん、スマホゲームを探す役割も持ち合わせています。未知のゲームに出会う楽しみも味わえるのです。
税込み価格は、キャリアによって約11万〜12万円と高めですが、実は先代の「Galaxy Note9」よりも少しだけ安価。大画面でスマホゲームを楽しみたい人には特におすすめです。
ASUSのゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」のブランドを冠するスマホの第2弾で、SIMロックフリー端末として主な家電量販店でも販売されています。
特徴は何といっても“ガチな”ゲーミングスマホであること。プロセッサはQualcommのハイエンドスマホ向け「Snapdragon 855」……ではなく、それをさらに性能アップした「Snapdragon 855 Plus」を世界初搭載。記事掲載時点では最高のスペックを持つゲーミングスマホとなっています。またゲームプレイ時に邪魔にならないようにと、本体側面にもUSB Type-Cの充電ポートを備えています。本体の冷却性能をさらに高める「AeroActive Cooler II」も付属します。
さらに2つ目の画面を増設できる「TwinView Dock II」を始めとする純正オプション機器が充実しているのも魅力。“ガチ”で“ガチ”なスマホゲームをやりたい人には一番の選択肢の1つです。
税込み直販価格は、内蔵ストレージが512GBのモデルが11万6050円、1TBのモデルが13万4750円とかなり高価ですが、その性能は本当に折紙付きです。
Qualcommの最新CPU「Snapdragon 855」を搭載しつつ、横幅を68mmに抑えたハイスペックモデルで、NTTドコモ、au、ソフトバンクから発売されています。スマホ全体で見渡しても「コンパクト」と「ハイスペック」を両立した貴重な1台です。
この機種はゲーミングにも注力しており、「ゲームエンハンサー」というゲームランチャーを搭載している上、プレイステーション4用のコントローラー「DUALSHOCK 4」を接続可能だったり、プレイステーション4のゲームをリモートプレイできる「PS4 Remote Play」をプリインストールしていたりと、ソニーグループのゲーム機器との親和性が高いことも魅力です。DUALSHOCK 4自体は一定要件を満たす他社のスマホとも接続できますが、全機能を生かせるのはXperiaならではです。
キャリアのWeb直販価格は税込みで9万円弱〜10万円程度とやや幅がありますが、ゲームをしっかり楽しめるコンパクトなスマホを探している人には良い選択肢です。
KAZUNA JAPANが販売する、中国BlackShark製のSIMロックフリーゲーミングスマホです。何といっても、最大の魅力は低価格であること。Snapdragon 855を搭載しながらも6GB/128GBストレージのモデルは直販の税込み価格が4万3780円(在庫限り:通常価格は5万4780円)で買えてしまいます。
ただ、安いからといってゲーム回りの機能に手抜きはありません。43.5ミリ秒の応答速度を持つ超低遅延タッチセンサーや、手で握った際に通信を遮らない「X-2スマートアンテナ」を備えています。ゲームランチャーは、「Sharkスイッチ」という専用スイッチで起動することもできます。
さらに、専用のゲームパッドを始めとして、純正周辺機器が充実していることも魅力。よりゲームを深く楽しめます。
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