イヤフォンの1種である「骨伝導イヤフォン」。通常のイヤフォン・ヘッドフォンと異なり、耳の穴をふさがずに音楽を聴くことができ、周囲の音をシャットアウトしなくて済むため、ランニングなど野外活動時の安全なリスニングに向いています。
在宅勤務中に耳をふさぐのに抵抗がある人が利用するケースもあるようです。骨伝導イヤフォンのおすすめモデルを選んでみましょう。
通常、音は空気の振動として、耳の穴から入って鼓膜を振動させ、内耳(聴覚神経)に伝わることで聞こえます(空気伝導)。
これに対して、「骨伝導」は頭の骨の振動を通じて音を聴覚神経に直接伝えるものです。人間は骨伝導による音を日常的に聴いており、例えば自分で聞く自分の声は耳から聴くものと骨伝導による音がミックスされたもの。録音した自分の声を聴くと違和感があるのは、空気伝導で伝わった声だけが録音されているからです(参考:日本医療機器産業連合会のWebサイト)
医療機器などにも利用されている骨伝導方式を、オーディオリスニングにも活用したのが「骨伝導イヤフォン」です。仕組み上、耳の穴をふさぐ必要がないので、音楽を聴きながら安全にスポーツを楽しみたいといった用途に向いているというわけです。
多くの骨伝導イヤフォンは、こめかみの後ろの辺りに両側から挟むようにして身に付ける方式です。重さや装着感のほか、眼鏡やサングラスをかけても問題ないかどうか確認しましょう。
通常のイヤフォン・ヘッドフォンと同様、有線方式とワイヤレス方式があります。有線方式は安定して接続できますが、スポーツなどの際はケーブルがわずらわしいのが難点。ワイヤレス方式はBluetooth(ブルートゥース)でスマートフォンなどと接続する仕組みで、接続の安定性では有線に譲りますが、スポーツなどでは軽快に使えます。
接続方式などを含め、骨伝導イヤフォンを利用したいシーンに応じた機能や性能を忘れずにチェックしましょう。ランニングなどのスポーツに利用するのであれば、防水機能があれば雨や汗でぬれても安心です。ワイヤレスモデルはバッテリーの持ち時間もチェックしておきましょう。
また、マイクによるハンズフリー通話機能が付いたモデルなら、野外や在宅勤務中でも電話を受けて会話もできます。必要な人は確認しましょう。
「AfterShokz Aeropex」は、骨伝導イヤフォン専門のブランドとして定評のある「AfterShokz」の上位モデルです。
Bluetooth 5.0によるワイヤレス接続方式。26グラムという軽量ボディと防水機能、8時間のバッテリー持ち時間で、スポーツや長時間の作業などに向いています。振動ユニットが30度チルトアップした独自構造により、低音を増強させながら振動を抑え、従来モデルから音漏れを低減しているとのことです。
マイクも搭載しており、ハンズフリーによる通話も可能になっています。2019年度のグッドデザイン賞を受賞したスポーティーなデザインもポイントです。
「AfterShokz Titanium」はAfterShokzの下位モデルですが、上位モデル「Aeropex」のほぼ半額で購入できます。
重さは30グラム、Bluetoothは4.2、バッテリー持ち時間は6時間と、上位モデルより性能は抑えられていますが、防水機能もあり、価格を抑えた入門機としては十分。ハンズフリー通話に利用できるマイクもついています。
「earsopen WR-3 CL-1001」は、BoCo社が販売する骨伝導イヤフォンのうち、有線方式の音楽リスニング向け。耳たぶの上の軟骨を挟んで装着するというユニークなクリップタイプです。
有線方式である分、コードを含まない重さは約10グラムと軽量。Y型ケーブルはマイクとリモコン付きです。
スマートフォンで利用する際はiPhoneを推奨しており、Androidスマホなどの場合は別売りのアンプとの併用を勧めています。
骨伝導イヤフォンではありませんが、耳をふさがず、周囲の音が聞こえるイヤフォンとしてソニー「STH40D」を紹介します。
ソニー独自の音導管設計により、耳をふさがない構造ながら、音を鼓膜にダイレクトに届ける仕組み。周囲の音と音楽などをブレンドして聴く新しいリスニング体験を提供するとしています。
眼鏡と干渉が少ない下掛けスタイル。有線方式で、ケーブルにはスマホ操作が可能なリモコンが付いており、ハンズフリー通話も可能。ブランド製の骨伝導イヤフォンと比べ、価格が比較的安いのもメリットです。
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